自動体外式除細動器
自動体外式除細動器 (じどうたいがいしきじょさいどうき) は、心停止などで倒れた人に対して自動的に心電図の解析を行い、心室細動が確認された場合は電気ショックで除細動を行う医療機器。英名称「Automated External Defibrillator」の頭文字からAEDと呼ばれることが多い。
概要[編集]
これまで除細動は医療行為の一つとされ、医師でなければできなかった。しかし2002年に高円宮憲仁親王が、スポーツ中に心室細動による心不全で倒れ薨去されるという出来事が発生。これにより厚生労働省などで心室細動への対応が取り上げられ、2年後の2004年には医師免許を持たない一般人が除細動をできるようになった。これを機に普及したのがAEDである。
AEDの本体は目立ちやすいよう赤やオレンジ色になっている場合が多い。使用時には電極パッドを指定の位置に貼り付け、機械の指示に従って操作を行う。なおAEDを使用している場合でも胸骨圧迫は人の手で行わなければならない。できる場合は人工呼吸も合わせて行うのが良いとされているが、衛生面での問題もあるため必ずしも行う必要はない[1]。
設置場所[編集]
基本的に駅や学校、病院など公共の場所に設置されていることが多い。また小田急60000形電車 (ロマンスカーMSE) を皮切りに鉄道車両にも設置されるようになり、一部は自動販売機に併設されているところもある。学校では体育教師からの要望で設置された学校もある。近年ではAEDが設置されている商業施設も増えた。またスポーツ施設にもAEDが設置されており、サッカーJリーグでは試合会場にAEDが2台以上なければならない規程を設けている。
公共施設や商業施設のみならず、心臓に持病を抱える家族がいる家庭でもAEDの導入事例が増えている。
AEDが収納スタンドに収められている場合、蓋を開けるとサイレンやブザーが点灯したり、赤いランプが点滅したりして緊急事態を知らせているスタンドも多く普及している。
普及率[編集]
現在AEDは街中に広く点在しているが、その一方で使用率はわずか4%。一般人の使用に至ってはさらに少ないという現状がある。消防署などではAEDの講習会を開いているほか、Jリーグでも横浜F・マリノスや松本山雅FCを中心にAEDの普及推進活動が行われている[2]。
問題点[編集]
男性が女性に対して使う場合セクハラにならないかもしくは痴漢行為にならないかでSNSで論争になっている。