心停止

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心停止(しんていし)とは、心臓がその機能を停止し、身体に血液を拍出できなくなっている状態の総称。勘違いされがちであるが、心臓が完全に止まっている状態のみを指すのではなく、次の4つの状態の総称である。

  • 心静止(Asystole) - 心臓が動きを完全に停止し、心電図においていかなる波形も観測できない状態。
  • 無脈性電気活動(PEA: Pulseless Electrical Activity) - 心臓を動かすための電気信号は観測できるが、実際に血液は巡っていない状態。
  • 無脈性心室頻拍(pulseless VT: pulseless Ventricular Tachycardia) - 頻脈のうち、有効な血液の拍出がない状態。
  • 心室細動(VF: Ventricular Fibrillation) - 心臓が細かく震えており、有効な血液の拍出がない状態。

心停止によって倒れている場合、意識不明や呼吸停止が併発する。これを確認したら速やかに心臓マッサージや人工呼吸などの救命措置を開始し、特に脳に対して酸素供給を行う必要がある。心停止のままいかなる措置も為されなかった場合、死に至る。

上の4つの状態のうち、pulseless VT、VFに関してはAED等の除細動器が適応可能である。AEDでは一般人も利用するため、装着すると自動的に心電図解析を行い、適応可能であるか診断し、電気ショックを与えることができる。

カーラーなどによる救命曲線に表れるように、心停止患者の社会復帰には、早期の心肺蘇生実施と、医療介入が肝要である。消防では出張を含めた救命講習を実施したり、自動車事故に遭遇することのある運転免許取得者に対しては応急救護処置講習の受講が義務付けられているなど、一般市民による一次救命措置の実施率向上が図られている。

病院においては、背板により効果的な心臓マッサージを行い、バッグバルブマスクによる人工呼吸、およびアドレナリン等の薬剤を用いた二次救命措置を行い、脳への酸素供給の維持と、心臓の早期回復を図る。これらの器具や薬剤を早急に準備するために使われるのが救急カートである。

関連項目[編集]