2017年クライマックスシリーズ泥試合
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開催日時 | 2017年10月15日 | ||||||
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開催球場 | 甲子園球場 | ||||||
開催地 | 日本 兵庫県西宮市 | ||||||
監督 |
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観客数 | 46,761人 | ||||||
試合時間 | 4時間35分 | ||||||
2017年クライマックスシリーズ泥試合(2017ねんクライマックスシリーズどろじあい)は、2017年10月15日に行われた、日本プロ野球のセントラル・リーグ クライマックスシリーズ1stステージ第2戦(甲子園球場)における横浜DeNAベイスターズ(以下「DeNA」)と阪神タイガース(以下「阪神」)による試合である。
概要[編集]
3年ぶりに甲子園球場での開催となった1stステージ。第1戦は阪神先発メッセンジャーが6回無失点の好投、阪神福留孝介の決勝2ラン本塁打により阪神が勝利し、ファイナルステージ進出に王手をかける。 迎えた第2戦は大雨の影響でグラウンドコンディションも非常に悪い中、1時間3分遅れでの試合開始となる。グラウンドは水たまりがいたるところで発生する泥田の状態となり、プロ野球史上稀に見る劣悪なコンディションの中での試合となった。ゴロは転がらずに止まり、選手は泥まみれになりながら試合を続行した。5回表にはDeNA筒香嘉智が内角球を避けて転倒し泥まみれになった。試合は予想外の安打を含む両軍31安打の乱打戦となり、DeNAが勝利。DeNAはこの試合で勢いづき、翌日の試合で勝利し1stステージを突破。ファイナルステージでも勢いを維持し日本シリーズに進出した。後に「泥試合」と呼ばれる本試合は開催の賛否を含めて大きな話題となり、アメリカのスポーツメディアは「信じられないほど面白いハイライトを生みながら雌雄を決し続けた。」と取り上げた。[1]
関係者の声[編集]
- 阪神・金本知憲監督
- DeNA・筒香嘉智外野手
「コンディションは相手も一緒ですし、自分たちの野球をやろうと言い合って試合に入りました」 (5回表、3番手石崎にしつこく内角を突かれバランスを崩して転倒した場面について)「戦いなんでね。本当に遊びごとじゃないですしね。向こうも必死で、もちろん本気で来ていると思うし、こっちもいつも本気だよってことです」と語気を強めた。[2]
- その他選手の声
DeNA選手ら「マウンドは大丈夫だった」「スパイクも意外と土を噛んだ」[3]
- 阪神園芸・金沢健児甲子園施設部長
(阪神園芸に感謝と称賛の声が止まないことについて)「(大雨の)2戦目は、僕らの力でも何でもないですよ」 「雨が降るというのは分かっていたので保険として(前日の試合後に)シートを張る前に、グラウンドを硬くしておいたんです。あれだけ降ってもやるというのは考えていなかったですけど…。普段の甲子園に比べると硬い状態で雨が降っているんで、スパイクは確かに噛んだと思います。ぬれて光っているけど、意外と見た目よりはしっかりしているな、という感じはすると思う」[3]
- Twitterなどネット上の声
試合展開[編集]
2回裏、二死満塁から一番・俊介がアウトコースのストレートを右中間に弾き返すと、センター・桑原が打球をファンブルする間に二者が生還し阪神が先制。(De 0-2 神)
3回表、一死2・3塁から三番・ロペスがフルカウントからアウトコースへのストレートをセンター前へ放つ2点タイムリーでDeNAがすぐさま追いつく。(De 2-2 神)
3回裏、二死ランナー無しから五番・大山のソロで阪神が1点勝ち越し。(De 2-3 神)
4回、降り止まない雨の中、両チームともコールドゲームを見据え、阪神は先発・秋山から岩崎へ、DeNAは先発・今永から須田へと早めの継投に入る。
4回裏、阪神は先頭の七番・大和がヒットで出塁すると、続く八番・梅野、九番・岩崎が二者連続で犠打を決め、二死3塁と追加点のチャンスを作る。 しかし、続く俊介はこのライトフライに倒れ追加点はならず。
5回表、一死1・3塁からロペスがこの日2打点目となる犠牲フライでDeNAが同点に追いつく。続いて二死1塁で四番・筒香の場面、カウント1-0から3番手・石崎の投球が顔面付近へのボールとなり、のけぞった筒香はバランスを崩して転倒しユニフォームが泥まみれになってしまう。その後カウント3-2から執念のライト前ヒットを放ち、二死1・3塁とチャンスを広げると、続く五番・宮崎のタイムリーでこの試合初めてDeNAがリードを奪う。(De 4-3 神)
6回裏、一死2・3塁から八番・梅野が仕掛けたスクイズはぬかるんだグラウンドによりボールの勢いは完全に殺され、難なく3塁ランナーがホームインし阪神が同点に追いつく。なお、前打者の大和が犠打を決めており、阪神はこの試合2度目の二者連続犠打となった。(De 4-4 神)
7回表、先頭・梶谷の捕手前へのゴロが内野安打となってさらに悪送球を誘い、無死2塁。次のロペスもライト前ヒットを放ちチャンスを無死1・3塁に広げると、続く筒香は初球を捉えた打球が水しぶきを上げながらライト前へ転がるタイムリーとなりDeNAが再びリードを奪う。続く一死1・3塁の場面で代打・乙坂が放った打球はレフトポール際への3ランとなり、その後も九番・倉本のタイムリー、一番・桑原の犠牲フライでリードを6点に広げる。(De 10-4 神)
7回裏、一死2・3塁から大山がセンターオーバーの2点タイムリーツーベースで4点差に詰める。(De 10-6 神)
9回表、倉本・梶谷・筒香のタイムリーで3点を加えてリードをこの日最大の7点に広げると(De 13-6 神)、 9回裏はDeNAの守護神・山崎がランナーを許しながら危なげなく無失点に抑え、DeNAの勝利となった。
スコア[編集]
脚注[編集]
- ↑ “CS“泥試合”、米でも話題に「信じられないほど面白いハイライト生んだ」” (日本語). Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2017年10月16日). 2022年10月31日確認。
- ↑ 筒香、V打含む4安打2打点で意地見せる「こっちもいつも本気だよってことです」― スポニチ Sponichi Annex 野球 https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/10/15/kiji/20171015s00001173307000c.html
- ↑ a b あのCS大雨試合はなぜ9回までできたのか…阪神園芸の金沢氏を直撃! - サンスポ https://www.sanspo.com/article/20171021-LFMOWCT5LNKODKP6OPO4DUFUDU/?outputType=amp