香港国家安全維持法
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香港国家安全維持法(ほんこんこっかあんぜんいじほう)とは、香港での反政府活動を取り締まる法律のことである。これは香港の統制強化を狙う中華人民共和国政府が、香港市民の意思を反映する香港立法会(いわゆる香港の議会)を関与させない形で成立させた。この法律を審議したのは中華人民共和国の国会といえる全国人民代表大会(全人代)常務委員会である。2020年6月30日に可決し、成立した。6章66条から成り立っている。略称は国安法。
この法律により「国家分裂」「政権転覆」「テロ活動」「外国勢力との結託による国家安全への危害」などの4種類の犯罪行為を処罰し、最高刑は終身刑と定めている。2020年7月1日にはこの法律に基づいて初の逮捕者まで出ている。日本をはじめとする国際社会では香港の高度な自治は否定されたとの懸念が拡大している。
中華人民共和国政府は香港に治安維持を担う出先機関である「国家安全維持公署」を設置し、特定の状況で管轄権を行使すると明記している。容疑者を中国本土で裁判にかけることも可能になっており、香港行政長官が主席を務める国家安全維持委員会を新設し、顧問を中華人民共和国政府が派遣することも規定している。付則には他の香港の法律と抵触する場合においては、香港国家安全維持法が優先すると明記されている。また特定の状況では捜査令状無しでの警察による家宅捜索も可能であり、国家の安全に危害を加えるようなインターネット情報の削除も規定されている。