鉄輪式リニア

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鉄輪式リニアは、リニアモーターの役目をする軌条が敷かれている鉄道および鉄道車両。

概要[編集]

「鉄輪式リニア」は「鉄輪式リニアモーターカーで運行する地下鉄路線」の略語で用いられることが多い。鉄輪式リニアの路線は、軌道の中央に敷かれた直線状の軌条のリアクションプレートと車体に備えるコイルとの間で吸引と反発を繰り返すこと(車上一次方式)で、車両を推進する力(推進力)を得ている。

後述のように短所が顕著だが、車両体積やトンネル断面を縮減できる他、勾配に強かったり(極端な話、垂直も可能)、車両の摺動部が少ないといった長所があり、20世紀に新規開業した2路線は、既存の地下鉄との交差により、路線の深度が深くなることへの対処という面もある。

一覧[編集]

以下の路線は全て架線集電を採用している。

なぜ儲かっていないのか[編集]

一覧の路線は、儲かっていない路線がほとんどである。
これらの路線は、市街地よりも郊外を走っていたり、車体が小さく乗車できる人数が少ないなどの特徴がある。というのも、鉄輪式リニアの建設経緯は「需要が見込まれないので、建設費圧縮のためにトンネル断面を小さくできるリニア式を採用した」というものがほとんどであり、もともと需要が見込まれていないのであれば儲からないのも当然である。

一覧の他、名古屋市交通局でも市内の新設路線への導入が検討されたことがあるが、既存開業区間の実情や既設路線との直通列車のニーズが高いため、導入した路線はない[注 1]

なお、需要が見込めなければ、建設コストやランニングコストが低減できるLRTや連接型のLRVの採用もあるが、旧運輸省が地下鉄に手厚い補助を出す一方、LRTは初期費用がほぼ事業者持ち出しだったのも、儲からない地下鉄が増加した要因の一つとする見識がある。

その他[編集]

「リニアモーターカー」と聞くと一般的にリニア中央新幹線で採用が予定される超電導を用いる磁気浮上式を連想するが、「linear」の意味は「直線の」であり(「line」の形容詞形)、「浮上する」という意味は含まれていない。鉄輪式リニアモーターカーはリニアモーターを備えるが浮上するわけではない。また、愛知県のリニモは磁気浮上式を採用しているが、常電導である。

マレーシアやカナダ、中国などでは第三軌条方式と鉄輪式リニアを併用した例が多数存在する。

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  1. 名古屋市営地下鉄は21世紀に入っても第三軌条集電方式での新規区間を開業させた公営地下鉄である。