都々逸

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都々逸(どどいつ)は、江戸時代末期に発生した大衆娯楽のひとつで、比較的新しい形式の定型詩の一種。元々は三味線を伴奏に歌い手俗曲師)が歌う俗曲で、一般民衆相手の曲が主体だった歴史から(知識レベルに拠らず誰にでも理解可能な)男女の交わりを歌った情歌が多い。

概要[編集]

基本的には各節の文字数(音韻)が7・7・7・5の形式に沿う口語体を特に都々逸とするが、5・7・7・7・5、7・7・7・5 - 3・4・4・3といった変節形式も含まれ統一化されていない。

そもそも(本来は)歌詞であるので曲に合わせて(歌い方が)変化するものであり「厳密に文字数が1文字単位で同じでなければ都々逸として認めない」といった厳格な形式でもない。

当初は三味線伴奏を伴う楽曲として、後に伴奏のない定型詩として広まったことから、作者不詳のものと著名人が創作したものが混在し伝わる。

最近では笑点で出演する落語家がお題に沿って作成したりもしている。

著名な都々逸[編集]

ほとんどは作者不詳、作者が判明しているもののみ末尾に作者名を付記した。

  • 三千世界の 鴉を殺し ぬしと添い寝が してみたい(桂小五郎作)
  • 恋に焦がれて 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす
  • あとがつくほど つねってみたが 色が黒くて わかりゃせぬ
  • はげ頭 抱いて寝てみりゃ 可愛いものよ どこが尻やら アタマやら

トリビア[編集]

「どどいつ」の語源は名古屋節の合いの手らしく、愛知県名古屋市熱田区伝馬町に「都々逸発祥の地」の石碑が建立されている。