足立区ウサギ用ゲージ監禁虐待死事件

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足立区ウサギ用ゲージ監禁虐待死事件(あだちくウサギようゲージかんきんぎゃくたいしじけん)は、2013年3月東京都足立区の自宅で3歳の児童がウサギ用ゲージで虐待によって死亡した事件。当事件は、ノンフィクション作家である石井光太が取材をしていた。

事件解説[編集]

この事件の犯人は児童(次男)の両親・皆川夫婦。彼らは2012年12月から次男をウサギ用ゲージに約3ヶ月も監禁し、2013年3月頃に騒がないようにという理由でタオルで猿ぐつわをして窒息死させた。次男の遺体を荒川に遺棄した。

マスコミは、この事件の容疑者の皆川夫婦に「鬼夫婦」、「嘘の上塗り夫婦」と称し、インターネット上でも「同じ方法で親も殺せ」と批判された。

容疑者・夫婦の家族[編集]

加害者の夫婦の親もモンスターペアレンツで育てられた。取材したノンフィクション作家の石井光太は、「虐待を考える際に、親にも目を向けないといけない」と語っている。

※ここでは容疑者の名前はイニシャルで表記する。

父親・皆川S[編集]

皆川S(事件当時30歳)は、物心ついた時期、児童養護施設で生活しており、その原因は母親の育児放棄だった[1]

彼の母親は、幼少期の頃から素行が悪く有名人であった。都内の中学校卒業後、水商売の世界に入り、18歳の時に彼を生んだすぐにキャバレーの仕事に戻り、彼を放棄した[1]。また育児の問題だけでなく、毎晩、酒を飲み、筋の悪い男性と付き合ったりと、生活も崩壊させた[1]

実家の親によって乳児院へ入り、一方母親は4人の娘を立て続けに出産し、彼女は育てる気がなく、出産前から乳児院に子供を預ける予約を済ませ、退院と同時に手放した。そして、Sを含めて、乳児院から児童養護施設へと全員送られた[1]

施設の面会では口から任せな上、子供の一人を引っ張りだして夜の街を連れ回し、子供が施設から貰ったお小遣いを取り上げ、飽きたらまた放置した[1]。また、子供たちがが成長してからは、稼いだバイト代まで奪い取り、施設の職員は彼女のことを「モンスター」と呼んだ[1]

Sは中学校卒業後、施設を出て、母親とアパートで暮らすようになった。この頃、彼の母親は、ソープランドを職にし、肉体関係を持つ沢山もの男が周りにいた[1]。彼は母親の性的な部分を見せつけられ、生活費を名目に金を搾取され、そしてバイトを転々とした後、足立区のホストクラブで働くようになる[1]

母親・皆川A[編集]

彼女の母親は都内の高校を中退後、ホステスとして、夜の仕事をしていた。仕事終わりには、毎晩のようにホストクラブに通って散財した[1]。彼女はAをお気に入りのホストとの間に未婚のまま出産した。その後、母親は、出会った男と次々と関係を持ち、シングルマザーとして5人の子供を産んだ[1]

子供たちを施設に預けることはなかったが、生活は崩壊し、複数の男性を家に引っ張り込み、近隣住民と喧嘩をするなどのトラブルも起こした[1]。それが原因で、数年、引っ越しを繰り返したりし、そのため、Sは中学卒業までに5回も転校を繰り返していたため、友人と呼べる友人もいないままでいた[1]

その後、Sは単位制高校に入学するも、中退し、水商売の世界に入り、22歳年上で妻子持ちの客の子供を身ごもり、そして母親同様に未婚で出産し、ホステスに復帰し、母親と共にホストクラブに通い、Sと出会い、同棲生活を開始した[1]

皆川家の生活[編集]

Sは、Aと結婚後に運送会社の派遣社員として働き始めるが、給料だけで生計を立てることが難しく、万引き、詐欺などの犯罪に手を染めるようになった[1]

長女、長男(2008年生)、当事件の被害者である次男(2009年生)、次女(2010年生)と毎年のように子供を産んだ[1]

夫婦は自称・動物好きで犬や猫を常時10から20匹に及ぶ、数を拾い、飼育できずに、床は糞尿だらけで、また餌も与えずにペットたちは次々と餓死した。ペットが死んだ際は、近所の荒川に捨てていた[1]

次男に対する虐待の詳細[編集]

ペットの件でお察しの通り、子育てもできず、「しつけ」という名の暴力を子供たちに振るう。ターゲットは次男と次女[1]で長女と長男は溺愛していた[2]。次男と次女のイヤイヤ期に腹を立てて夫婦は、激しい暴力を振るったり、また次男がヨタヨタと立ち上がって甘えるように話しかけても、「ふーん」と言い放って構おうともしなかった[2]。また、親族の食事会の際、Aは母親と話してばかりで、次男に口をきいたり、素振りすらしなかった[2]

通報により当時住んでいた埼玉県草加市の自宅に来た児童相談所の職員が次男を2012年2月5日から3月19日まで一時保護し、夫婦に生活保護を受給するように伝えた[3]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 石井光太著『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』(新潮文庫)

関連項目[編集]