西川善文
西川 善文(にしかわ よしふみ、1938年(昭和13年)8月3日 - 2020年(令和2年)9月11日)は、日本の実業家、銀行家。最後のバンカーと称される。住友銀行、三井住友銀行頭取、三井住友フィナンシャルグループ代表取締役社長、全国銀行協会会長、第2代日本郵政公社総裁、初代日本郵政代表執行役社長を歴任。
来歴[編集]
奈良県出身。大手銀行の再編を主導したことで知られている。
昭和36年(1961年)に旧住友銀行に入行し、副頭取を経て平成9年(1997年)に頭取となる。旧住友銀行では早くから頭取候補に挙げられており、磯田一郎の腹心として経営難に陥った取引先の旧安宅産業の破綻処理、平和相互銀行の吸収合併などで実績を挙げて頭角を現した。平成13年(2001年)に住友銀行とさくら銀行が合併して誕生した三井住友銀行の初代頭取に就任。8年間にわたる頭取在任中は旧財閥系の垣根を超えた旧さくら銀行との経営統合を実現させるなど、強力なリーダーシップを発揮した。平成14年(2002年)12月に持株会社三井住友フィナンシャルグループの社長を兼任し、平成17年(2005年)に特別顧問に退く。平成16年(2004年)には経営難から金融再編の焦点となっていた旧UFJグループをめぐり、旧三菱東京フィナンシャル・グループと争奪戦を展開し、旧住友信託銀行とタッグを組んで統合交渉に割り込んだが、実現には至らなかった。
民営化前の平成18年(2006年)1月に発足した日本郵政の社長に就任し、ゆうちょ銀行など新会社の事業計画を盛り込んだ民営化実施計画の骨格策定など、郵政民営化に向けて陣頭指揮を務めた。民主党政権が誕生すると、郵政民営化方針の見直しを受けて辞職を余儀なくされた。
令和2年(2020年)9月11日に82歳で死去。
著作[編集]
- 『挑戦―日本郵政が目指すもの』(幻冬舎新書、2007年) ISBN 978-4-344-98056-3
- 『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』(講談社、2011年/講談社文庫、2013年)ISBN 978-4-06-216792-5/ISBN 978-4-06-277725-4