花押

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花押(かおう)とは、自署の代わりに書くサインのことである。その形が花模様に似ていることから「花押」と呼ばれる由来となっている。花押はそれぞれの個人を表す重要なものであり、そのため様々な工夫が凝らされて様式も多い。元来は花押もしくは自署のみで機能していたが、中世になると名前と花押を並べて書くことが一般的になった。なお、その個人が初めて花押を使用することを「御判始」(ごばんはじめ)という。

花押で有名なのが武田信玄である。信玄は自分が死去した後、織田信長徳川家康から反撃を受けることを恐れて、自分が生きているように装うように後継者の武田勝頼に花押だけを押した白紙の書状を数百枚用意していたという。実際、信玄が死んだ後にも関わらず、武田家では信玄の花押が押された文書がそのまま使用されていたことが確認されている。

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