白人コンプレックス

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白人コンプレックス(はくじん - )はアジア人、特に日本人韓国人に多く見られるコンプレックスの1つ。

概要[編集]

明治以前は西洋人を天狗と嘲笑い皮肉った風刺画もみられたが、

明治維新を通して文明開化した日本では、ヨーロッパに対する憧れが強くなっていった。ヨーロッパの文化が流れ込み、幕末から急速に西洋化した。

第二次世界大戦後、日本にはGHQが置かれ、パンを朝食に推奨したり、それまでの教科書には黒く墨を塗るなど文化的・精神的な統制が始まった。

昭和後期よりバブル経済が始まると、日本に洋画ブームが巻き起こった。ハリウッド映画などに代表されるヨーロッパ系の映画に人々は魅了され、様々な憧れ・幻想を抱き、海外旅行へ行く者も大幅に増加した。この頃から日本人に白人コンプレックスの顕著な例が現れる。その一例がパリ症候群である。これはフランスの首都・パリに過度な妄想・幻想(『パリは花の都』『パリはパリコレモデル並みの人が平均』『パリには美人ばかり』等)を抱いた日本人旅行者が現地へ行くと、妄想と現実の落差に落胆し、気分的に憂鬱になったり、発作を起こすような病気である[1]。現在でも日本大使館ではパリ症候群患者の相談を受け付けている。

近年、テレビや広告には白人が多く登場し、芸能人には白人とのハーフのタレント(所謂「外タレ」)が急速に増加している。これは日本人の異常な白人に対する憧れの一端と言われる。「日本人の白人コンプレックスが異常だと思う割合」は25%(4人に1人)となっており[2]、少なからずの日本人が日本人の異常な白人コンプレックスを疑問に感じていることを示している。このコンプレックスはしばしばインターネット掲示板でも話題になり、議論が巻き起こっている。

日本人女性はこの傾向が強く、海外では日本人女性は白人男性が望めば簡単に性交できることから、イエローキャブ(黄色いタクシー、という意味。黄色人種で、手を挙げれば止まり、性交できるから)とも呼ばれている。

また、ファッションモデル業界でもその傾向があり、顧客の大半が日本人(非白人)であるにもかかわらず、その商品のモデルに白人が起用されることが多い。特に女性用の下着モデルブライダルモデルについては、その傾向が強い。

文化人類学から見た白人コンプレックス[編集]

異文化に対する反応の分類[編集]

文化人類学(旧民族学)は、異文化に初めて触れた時の人の反応(リアクション)を3つに分類する。

  1. 否定的 - 「異文化=劣・悪」という考えから発生するリアクション。自民族以外を見下す傾向にある。一般的には歓迎されない態度である。
  2. 肯定的 - 「異文化=異文化」と捉えることから発生するリアクション。異文化と共存しようとする意志が強い。ただし、「異文化=優・良」という考えは肯定的リアクションには当てはまらない。一般的に歓迎される態度である。
  3. 無視(放認) - 肯定的リアクションと同じく「異文化=異文化」と考えるが、共存しようとする意志はなく、逆に追放しようという意志もない。一般的には賞賛も批判もされない態度。

異文化への反応に関わる主義[編集]

大きく二つに分けられる。

  1. 文化相対主義(カルチュラル・レラティビズム) - 「文化に優劣はない」というスローガンの下、異文化を尊重し、共存しようとする理念。上記では「肯定的リアクション」に該当する。国連はこの主義を採用し、普及に従事している。しかし、この主義には「尊重すべきかどうかわからない異文化(韓国の犬食、腹試しなど)まで尊重すべきか」という問題もあり、逆に文化間で対立を招く恐れも指摘されている。
  2. 自民族中心主義(エスノセントリズム) - 文化相対主義の対義語。ヒトラーなどに代表される主義。差別・偏見・迫害に繋がる主義として、現在は危険視されている。

「白人コンプレックス」とは何者か[編集]

文化人類学には「かぶれ」という概念が存在し、これは「自民族の文化と他国の異文化を比較した時、他国の異文化の方が、自民族の文化よりヒエラルキーの上位に位置づけられると信じ込み、自民族の文化を嘲笑または批判する人物」を意味する。すなわち、「かぶれ=白人コンプレックス」である。そもそも文化相対主義の理念は「文化に優劣はない」のスローガンの下にあるため、「白人コンプレックス」という概念はこれに反する。つまり、「白人コンプレックス=自民族中心主義」である。海外、特にアメリカ・ヨーロッパでは「自民族中心主義者=レイシスト」の扱いであるため、「白人コンプレックスを抱く者」はレイシストと同類、もしくは"そのもの"なのである。

白人コンプレックスの特徴[編集]

これらの特徴はヨーロッパでWeeaboo(ウィアブー、日本かぶれ)と呼ばれる人々に酷似しており、本質的には同じ症状に陥っていると考えられる。

  • 白人を崇拝している。
  • 髪を金色に染める、もしくは染めたがる。
  • カラーコンタクト等で目の色を青くしたがる。
  • 白人モデルが多用されたファッション雑誌を好み真似したがる。
  • 白人は全てにおいて他人種より優れていると思い込んでいる。
  • 「白人に生まれたかった」などの書き込みを行う。
  • 「白人は全員美形、他人種、とりわけ日本人は一番ブサイク」と思い込んでいる。
  • 「海外では~」が口癖となっている。
  • 英単語を会話に入れたがる(所謂、「意識高い系」)。
  • ヨーロッパの物を何でも賞賛し、逆に日本の物は何でも蔑視する。
  • 中国人,朝鮮人,東南アジア人やその文化を侮蔑する。
  • 白人と交際し、周囲の日本人を見下す。
  • 金髪碧眼ヒロイン、および、ヒーローがパワーアップすると金髪に変わるマンガを描く、また、そのようなものを好んで読む。
  • 石川五ェ門(ルパン3)のように納豆と沢庵漬けをこよなく愛する者を「フッ」と鼻で笑う。

潜在的なものも含めると、大多数の日本人が白人コンプレックス・崇拝を抱いているとされる。他に、年々白人との国際結婚は増加しつつあるが、同時に離婚率も非常に高いものとなっている。

参考画像[編集]

脚注[編集]