田安門

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田安門(たやすもん)は、皇居(旧江戸城)の門の一つである。髙麗門櫓門からなる桝形となっている。

概要[編集]

1636年(寛永13年)建築で、旧江戸城建築遺構のうちで最古である。1971年(昭和36年)6月、国の重要文化財に指定され、文化庁が直接管理している。『武徳編年集成』に1607年(慶長12年)11月に焼失したとの記録があり、慶長年間にすでに田安門があったことが分かる。『譜牒余録』によれば1629年(寛永6年)に越前福井藩主松平忠昌によって修覆されている。現在の田安門は、高麗門の扉にある肘壷金具の刻銘によれば、1636年(寛永13年)に再建されたものである。

名称の由来[編集]

門名称の由来は、田安門周辺が古くから田安台・田安郷といわれ、田安明神社があったためである。津久戸村にあった「津久戸明神」を室町時代に太田道灌が田安郷に移転し、それ以降は「田安明神」というようになった。田安明神は1616年(元和2年)にり筑土八幡神社隣接地(現:新宿区筑土八幡町)に移転し、1874年(明治7年)に「築土神社」と改称した。

復元工事[編集]

櫓門は1923年(大正12年)の関東大震災後に櫓部分が破却され、階下の門部分を残すのみであったが、古図や1922年(大正11年)頃の写真により櫓の規模や形状が判明するため、他の類似例を参考にして文化財保護委員会により、国直営工事として1961年度から1966年度にかけて復旧整備復旧工事が行われた[1]

諸元[編集]

  • 名称:田安門
  • 所有者:国(文部科学省)
  • 建築年代(高麗門):江戸時代・1636年(寛永13年)※扉釣金具銘
  • 建築年代(櫓門):近世/江戸時代・1636年(寛永13年)頃:櫓門の上部は復元による
  • 指定:重要文化財
  • 重文指定年月日:1971年6月7日、追加指定 1966年(昭和41年)6月11日
  • 所在地:東京都千代田区北の丸公園
  • 交通:東京メトロ東西線・半蔵門線・都営地下鉄新宿線「九段下駅」(地上出口2)下車徒歩3分

関連事項[編集]

外部リンク[編集]

旧江戸城田安門 櫓門

リファレンス[編集]

  1. 文化財保護委員会(1964)「開智小学校本館の移築・旧江戸城田安門の櫓の復旧等」日本建築学会論文報告集 77(0), p.54