焼鳥

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焼鳥(やきとり)とは、鶏肉を串にさして焼いた料理である。ただし、「ねぎ」「ししとう」「ピーマン」「ぎんなん」など、野菜を同様に調理したものもやきとりに含まれる[1]。鶏以外では、雉・山鳥・雀・ヤマシギなどが用いられる[2]
味付けはタレとの二種類があるが、それに関しての追加情報があれば補筆されたい。

概要[編集]

品書きあるいは分類として以下のものがある。「七十種はあるだろう」と云われるが、アレンジメニューを加えると百種を越える。

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  • み(身。精肉、正肉とも)
    • 鶏もも
    • ささみ
  • かわ - 鶏皮
  • ねっく(「せせり」とも。頸部)
  • なんこつ(いわゆる「薬研」ではなく、ヒザ軟骨)
  • ふえ(食道・気管。この部分も「なんこつ」と呼ぶ)
  • 砂肝(「ずり」とも)
  • きも(レバー。肝臓)
  • コブクロ(「きんちゃく」とも。子宮)
  • ハツ(心臓。「こころ」。「鶏もつ」というとレバーと一緒にされている)
  • ぼんじり(「ぼんぼち」「三角」とも)
  • 玉ミチ(卵管。「みち」「ホルモン」とも)
  • カンムリ(とさか)
  • チューリップ(手羽中。串には刺さないため、調理にはトングなどを使う)
  • 手羽先(手羽中の骨を二本とも除いたもの。先端はアルミホイルで巻いて供することもある)

アレンジ[編集]

  • はさみ(ねぎま)
  • つくね
  • チキンチーズ - 「ねっく」を三本並べて焼き、充分に火が通ったところで裏返し、スライスチーズ一枚をのせて焼く。チーズが溶けたところで皿に盛り、胡麻だれをかけたのちにパセリパウダーを振る
  • ねぎバンバン(「み」に塩ダレをかけ、刻んだ万能葱を乗せる)
  • しそ巻(梅ダレを用いたりもする)

その他[編集]

  • 合鴨
  • 鶉・ウズラの玉子
  • ホロホロ鳥

豚・牛[編集]

  • シロ ( 小腸を裏返してよく洗い、下茹でして臭み抜きをしたうえで串にして焼いたもの。牛モツも使われる)
  • カシラ(豚頬肉)
  • 豚バラ
  • 豚ブロ
  • 牛タン
  • 牛ロース

また北海道室蘭地方では豚肉とネギを串に刺して焼いた「室蘭やきとり」と呼ばれる別種の焼鳥がある。

野菜[編集]

  • いかだ(葱)
  • たまねぎ(珠根葱)
  • ししとう(しし唐辛子)
  • ピーマン
  • 万願寺唐辛子
  • なす
  • しいたけ(椎茸)
  • ぎんなん(銀杏)

などがある。

調理法[編集]

「串に刺して炭火で焼く」というスタイルが代表的ではあるが、必ずしも一般的ではなく、べつに鍋で焼こうがガスで焼こうが電気で焼こうが「やきとり」はやきとりである。遠赤外線によって炙り、ガス臭さがないなら調理上はまったく問題はない。

調理器具[編集]

「七輪」(「七厘」とも)といわれる珪藻土の焼物(関西では「カンテキ」)を使うが、業務用としては丸型だと不具合があるため、長方形の七輪を使うことが多い。とはいえ電気式やガスの調理器で上から加熱すると脂が発熱部分にはかからず、ガス臭さも移らないので利用されることもある。店舗で金属製のグリル(金網)と併用することが多いのは、串の先端部分が隠れるように焼くためである。
火力源としては家庭ではガスが多いが、臭い移りを機にするひともいる。そこでグリルで焼くことになるが、焼き加減が見えないのがツラい。したがって鍋で焼くスタイルもある。
店舗では電気も多いが、煙が肺癌の原因になるかもしれないため、工場で焼いたものを店頭で温め直しコンビニ方式もある。専用のカセットコンロもあるが、あまりしょっちゅう使うものでもない反面防災用としては悪くない(鉄板とセットにすると焼きそば・たこやき・餃子・焼肉・ちゃんちゃん焼きなど用途も広がる)。 炭火焼はイベント性が高い。使用する炭は備長炭がもっぱら最上とされるが、オガ炭・椰子殻炭・竹炭・豆炭などがあるため、さほど気にする必要はない。フィリピン、タイ、インドネシア、マレーシア、臺灣などでは、おそらく問題にする人はほとんどいない。

串打ち[編集]

手前が小さく、先端は大きく。火の通りにくいものは離しぎみ。一本二十五グラムから三十グラムを目安とする。

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塩は(乾煎りするなどして)水分を飛ばし[3]、胡椒を重量比で五十分の一ほど加えて攪拌する。クッキングソルトはにがり分が少ないため潮解しにくいため扱いやすいが、毎日炒ってから使う・乾燥剤を使う・煎り米と一緒に保存するなどの方法を取ることもある。

タレ[編集]

「かえし」を味醂で同割(体積比で1:1)にしたもの。
かえしは醤油と味醂を同割にし、醤油を焦がさないようにごく弱火でアルコール分を煮切ったものである。別名を「八方汁」といい、出汁などを加えて日本料理でさまざまに使うため、作り置きしておいても便利である。ただし、これでは「味がくどい」という人もいるので、味醂を減らして水と砂糖を加えるなどもする。醤油は丸大豆醤油である必要はなく、砂糖も上白糖などではなくて黄ザラでいい。
かえしを作るときにモミジ(鶏の脚の部分)を入れるなどする場合もあるが、焼鳥以外の料理に使いづらくなる(大抵バレないが)。水飴を加えてとろみをつける場合もある。
醤油・味醂・日本酒・だし(圧削りの鰹節や混合節)などを適宜配合したかえしは、そばつゆなどにも使える。 鶏肉専門店で「ひな皮」と呼ばれる鶏皮を買ってきて、下茹でしたものを鍋でつけ焼きすると味がよくなる。
ひな皮の下茹での際には鶏油が出るので[4]塩析して精製してから保存しておくと便利である。もちろん茹で汁は鶏スープとして使える。ひな皮を細切りにして生姜とともに焼鳥のたれで佃煮風にすると、弁当などに合う。もちろん鶏挽肉を使えば鶏そぼろになる。

調味料[編集]

唐辛子と合うため、

  • 一味唐辛子
  • 七種唐辛子(七味唐辛子あるいは七色唐辛子)
  • 柚子胡椒
  • 山椒
  • ポン酢

などが用いられる。とはいえ各地方でやきとりは好まれているので、「どれが正しいか」という議論は「酒の肴としての、議論のための議論」とすべきものである。あしらいとしてレモンやスダチなども用いられる。

参考文献[編集]

  • 『焼とり居酒屋の調理術・繁盛術』(旭屋出版MOOK、2002)

脚注[編集]

  1. 鮎の塩焼きは、お品書きの中にはあってもいいように思うが、やきとりのジャンルからいうといかがなものかと思う。
  2. 江戸時代の『當流節用料理大全』には、鶉 ・鶫・山鳩・鴨……」など、十六種が挙げられているという。
  3. 天然海塩だと、にがり/塩化マグネシウムを含むため、湿けやすい。煎り米を卓上瓶に入れることもある。
  4. 有楽町のガード下の焼鳥屋では、「すいませーん! 皮焼きまーす!」と客に声掛けをしていた。