無理数

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無理数(むりすう)とは、既約分数で正確に表せる数(有理数)に対し、既約分数で表すことができない実数のこと。すなわち、分子・分母共に整数(分母は0でない)である分数で表すことができない実数のことである。

概要[編集]

もっとも有名な無理数は、2の平方根である。これ以外のものとしては、素数平方根円周率自然対数の底などがある。無理数を小数で表記すると、どのような位取り記数法で表したとしても、循環しない無限小数になる。もし循環する場合は、「349」が循環するなら「349/999」、「542368556」が循環するなら「542368556/999999999」のようにして分数で表記できるからである。自然数の逆数を循環小数で表すプログラムを書いて実行してみると、けっこう面白い結果が出てくる。
また、有理数全体の集合は可算集合(アレフ・ゼロ。ℵ0)であるのに対し、無理数全体の集合は非可算集合であるため、ほとんどすべての実数は無理数であると言える。
無理数であることを証明するには、背理法がよく使われるが、「背理法はキモチワルイ」と嫌う人も多く、「素因数分解の一意性」を前提として直接証明するというのが王道だとする数学者もいる。すなわち、「数学に王道なし」は説明不足だということでもある。

共役[編集]

実数に対する複素数の範囲での共役と同様に、有理数に対する実数での範囲で共役の概念がある。その際、共役になるのは共役無理数と呼ばれる無理数の組である。共役な複素数や共役無理数は実数係数の2次方程式の解として現れることが多い。このとき、虚数解ならば必ず共役複素数だが、実数解であっても重解や有理数の解も考えられるので一般に共役無理数とは言えない。また、係数が複素数の場合は一般に「虚数解ならば必ず共役複素数」も成立しない。