漢字制限
漢字制限とは、「学習上の負担や実用上の不便を少なくするために、日常生活でもちいる漢字の字種・字形・音訓を一定の範囲に限定すること」と説明されることが多い。
概要[編集]
占領下の日本においては「将来、日本人は日本語を捨てて英語を話すようになるであろう」と GHQ の誰かが考えたらしく、「とりあえず、これだけは使わせておけ」ということで「当用漢字」が制定された。
反面、進駐軍の軍人が「漢字って意外に便利じゃん?」と思いはじめたために、ややこしいことになった。「嶋田正雄」は「しまだまさを」なのだが、「嶋」には「島」「嶌」という異体字があり、「を」は「雄」だったり「男」だったり「夫」だったりするので、ひょっとしたら「S田正O」だったかもしれない。『惑わない星』の登場人物名などは、そこから設定されたらしい。
とはいえ朝鮮戦争などの影響で「不沈空母」「軍需基地」となった日本の生産性を落とすわけにもゆかず、日本の漢字制限を律儀に守っているマスコミはかなり少なくなった。
人間生活との関わり・利用[編集]
漢字制限は
- 学習上の負担
- 実用上の不便
を少なくするために行われたというのが常識とされている。そこで、「いかに学習上の負担が減ったが」「いかに実用上の不便が減ったか」のについて検証してみよう。
学習上の負担[編集]
「弗素」の「弗」は「ム」に置きかえられて、「弗素」は「フッ素」と表記するように指導された。「佛教」は「仏教」になったが、「沸騰」は「フッ騰」ではないし、「さんずいにム」でもない。「これだけ子供を苛めておけば、日本人は日本語を諦めて英語を使うようになるだろう」と思ったかもしれないし、「フランス語を日本の国語に制定しよう」とかいった「教養人」「知識人」をオルグしようという狙いはあっただろうが、思惑は外れた。
実用上の不便[編集]
「芥川竜之介」は「芥川龍之介」ではなく、「橋本龍太郎」は「橋本竜太郎」ではない。「タカハシ」さんの「橋」にも異体字があり、「ヤナギ」も異体字がある。「そもそも、漢字と読みが一意対応していないのが間違っている!」という話になると、「同音異字」を禁止しようという話になり、韓国やベトナムでは実際に行われたために「自分の名前が書けない」という話も出てきている。「ヴォー・グエン・ザップ[注釈 1]」とか「ゴー・チョクトン[注釈 2]」とか言われてもなぁ。「マオ・ツォトン[注釈 3]」「ティエン・シャオピン[注釈 4]」とか言われるとピンとこないし、「リー・シャオロン」と言われて「李小竜[注釈 5]」とピンとくる人は多くないように思う。ワードプロセッサの普及や国際化にたいする「防波堤」の役割を果たしていて、「ニホンのコクタイのゴジにコウケンしている」とか胸を張られても困る。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
関連作品[編集]
- 『惑わない星』