深海の使者 (しんかいのししゃ)は吉村昭の小説である。
第二次世界大戦最中、枢軸国である大日本帝国とドイツ第三帝国は潜水艦によって細々と連絡を取り合っていた。艦内には日本側から東南アジアで採出されたゴム、タングステンのほか、日本国内で産出した金。さらに酸素魚雷とその設計図。ドイツ側からは最新兵器の設計図、医学雑誌 (この中にはペニシリンについて書かれた論文もあった)が相手側に輸送された。連合国側の攻撃が予想される危険な航海で、潜水艦内の劣悪な環境に耐えながら任務を遂行する乗組員の生と死を描く。