武藤功

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

武藤 功(むとう こう、1937年 -2022年 )は、日本の作家、評論家[1]

茨城県勝田市(現・ひたちなか市)生まれ[1]。日本民主主義文学同盟(現・日本民主主義文学会)常任幹事であったが、1983年『民主文学』4月号問題で党中央の介入に抗議し辞任。その後、『葦牙』同人。1990年『宮本顕治論』(田畑書店)を刊行したことが「党内の問題を党外に持ち出した」として査問を受けた上、日本共産党を除籍された[2]。『霜多正次全集(全五巻)』(霜多正次全集刊行委員会、1997~2000年)編集委員[1]

『葦牙』1993年1月号の久野収へのインタビューで、久野が丸山真男の「戦争責任論の盲点」を引用したことは、共産党による「丸山真男弾劾キャンペーン」の発端となった[2]。2002年のJR浦和電車区事件について、JR東労組を冤罪だと擁護している。『冤罪』(出版研、2005年)には元JR東労組執行委員長の松崎明とのインタビュー対談が掲載されている。

2023年の「しんぶん赤旗」に、茨城県で夫を前年コロナで亡くした女性が共産党に助けられたという趣旨の記事が出ていて、その女性が武藤の配偶者と同姓同名なので、その亡くなった夫が武藤功だったと推測されている。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『川から橋への一時間』 水戸文芸懇話会、1961年
  • 『書物の戦い――政治と文学のはざまで』 田畑書店、1989年
  • 『宮本顕治論――その政治と文学』 田畑書店、1990年
  • 『木リーグ――木についての30の回帰的連想 武藤功詩集』 沖積舎、1996年
  • 『国家という難題――東湖と鴎外の大塩事件』 田畑書店、1997年
  • 『思想としての日本人』 田畑書店、1998年
  • 『暴かれるべき文学のイデオロギー――現代文学論』 同時代社、2002年
  • 『冤罪――JR浦和電車区事件をめぐって』 出版研、2005年
  • 『冤罪をなくす』 いりす、同時代社(発売)、2008年
  • 『公安警察の「日本」――JR浦和電車区事件の真実』 いりす、同時代社(発売)、2010年

共著[編集]

  • 『石原慎太郎というバイオレンス――その政治・文学・教育』 牧梶郎、山根献共著、同時代社、2003年

脚注[編集]