東京都立日比谷高等学校
東京都立日比谷高等学校(とうきょうとりつひびやこうとうがっこう)とは、東京都千代田区永田町二丁目に所在する東京都立高等学校。全日制普通科のみがあるようで、定時制は現在はないらしい。旧制の府立一中であり、「如蘭會」というOB・OG會がある。
概要[編集]
卒業生に著名人は多いが、現在の永田町キャンパスではなく日比谷キャンパスの人が多い。夏目漱石こと夏目金之助、数学者の遠山啓などがいる。旧制から新制に移行したときの現永田町キャンパス出身の著名人というと、「ルパン三世」で知られる山田康雄であろうと思われる。如蘭會の総会の「ビール速飲み大会」で、飛び入り司会とかもしていらっしゃった。旧制時代のOBとしては、物理教諭の加川先生がいらっしゃって、「2.26 のときは、校庭を青年将校がウロウロしていた」と述懐されていたときに「その頃からいらっしゃったんですか?!」とツッコミを入れたら「その頃は学生だったんだよ!」と打ち返されていた。2.26事件のときに陣を構えたのが現在の「軍艦パジャマ」であり、映画『日本のいちばん長い日』でロケに使われたのが旧正門からの上り坂であった。
日比谷の七不思議[編集]
七不思議として、
- 永田町にあるのに、なんで「日比谷」?
- なんでキャンパスに蔵があるの?
- なんで受験校なの理系クラスと文系クラスに分かれてないの?
- ここが正門じゃないってどういうこと?
- あの銀杏ってウザいっていうか臭くて迷惑なんですけど。
- なんで水を掛けるのが好きなんですか?
みたいな話がある。
永田町にあるのになぜ「日比谷」[編集]
かつては日比谷公園にキャンパスがあったが、関東大震災で校舎が永田町に移転し、旧制中学校から新制高校になったときに、「永田町高校」「星稜高校」とはせずに、「日比谷高校」とした。
なぜキャンパスに蔵があるのか[編集]
元は「天狗煙草」の敷地であり、煙草蔵をそのまま資料館として利用している。
なぜ受験校なの理系クラスと文系クラスに分かれていないのか[編集]
「教養主義」を学是としているから。
正門[編集]
正門は赤坂見附の駅から遠いのであまり利用されないが、登校時はもちろん開いている。裏門から登校すると、「新坂」(通称は「遅刻坂」)を登らなければならないので、気分がめげるという意見もある。かつて正門脇には地蔵尊が祀られており、「休講地蔵」として崇められていたという。
イチョウ[編集]
校歌に「大銀杏 緑に茂り やがてまた風に黄ばめば」とあってシンボル・ツリー的な存在ではあるが、正直なところギンナンが臭い。ところが、そのギンナンは茶道部・花道部・邦楽部が文化祭において「炊き込みご飯」として供するという不文律があったため、一般生徒は手が出せない。
水掛け[編集]
学園祭の後夜祭においては委員長に水をぶっかける風習があり、教育実習生(体育教師)は最終日に水をぶっかける風習がある。かつては「星稜祭の楽日には委員長がプールに落とされる『プール落とし』が恒例だった」というが、学校側でも警戒しているため半世紀ほど前から廃れ、現在の校舎では行われない。
「胴上げ」というのは「頭を冷やせ」という意味があるそうだが、それに類する行為なのではないかとも思われる。
同人誌活動[編集]
委員会活動は教育活動の一部であるため、「なるべく一般の学生に図書館業務を体験してもらいたい」ということが学校の教育方針としてある。とはいえ一応エリート校であるため、学校図書館業務に通じた学生も多く、「図書委員になりたい」という学生も多かった。そのような事情により、正規の図書委員に選ばれなかった学生は正規の図書委員ではない「闇の図書委員会」というサークルを作っていた。正規の図書委員から外れて「闇落ち」して図書館管理業務の補助を行なったり、製本業務に使う器材などを用いて学校内の同人誌活動などを支援していた。三年生になると受験に邁進する委員も多く、図書委員会活動も手薄になるため、闇の図書委員が正規の委員として戻ってくることも多く、これを「闇上がり」と称した。
それもあって、委員会や部活動や同好会活動において、各種の同人誌が発行されている。図書委員会の『リブラリア』、神伝流水泳術の「一水会」の『河童の戯言』などのほか、天文部や生物研究会おいても同人誌が発行されていた(いる)。闇図書にも『紙魚の戯言』という同人誌があった。「慶應義塾大学の『三田文学』より、『年リブ』(年刊リブラリア)のほうが質が高い(笑)」という話もあった。ちなみに『赤ずきんちゃん気をつけて』の著者の庄司薫は日比谷のOBであり、日比谷公会堂で日比谷高校のオーケストラ部の発表会をしたときにピアニストの女性がやたら上手くて「誰だあれ」「中村紘子だよ」「なんで?」「旦那が庄司薫」という会話があったという。
映像作品[編集]
陸上部や天文部などでは、学園祭でデモンストレーション活動ができない。天文部ではプラネタリウムの上映や天体写真の展示ができるが、陸上部となると個人競技なのでアピールのしようがない。そこで映像作品を作って上映するということも多かった。陸上部には「ランナウェイ」(元ネタは「ゲッタウェイ」)、「俺たちには脚しかない」(元ネタは「俺たちに明日はない」)、「健脚商売」(読み筋は「剣客商売」)などの名作がある。
参考文献[編集]
脚注[編集]
関連項目[編集]
- 東京都立大森高等学校 - 戦時中に、旧制府立一中が一時期疎開していた。
- 東京都立三田高等学校 - 学校郡制度があったころに、おなじ「11郡」だった。
- 東京都立九段高等学校 - 学校郡制度があったころに、おなじ「11郡」だった。現在では中高一貫校である。
- 東京都立戸山高等学校
- 東京都立新宿高等学校
- 東京都立西高等学校