札幌市三丁目食堂事件
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札幌市三丁目食堂事件(さっぽろしさんちょうめしょくどうじけん)は、2008年、北海道札幌市白石区で発覚した、知的障害者に対し、劣悪な環境で働かせ、障害者年金詐取、虐待等を行った事件で知的障害者4人が保護された事件である。
事件の概要[編集]
北海道札幌市白石区の三丁目食堂で働いていた知的障害者4人が、約10~30年間過酷な労働をさせられ、給与も支払いがされず、支払ったのは週1回の銭湯代一人390円のみであった。
札幌市の対応[編集]
2006年10月に札幌市の知的障害者更生相談所にて療育手帳の更新の手続きをする4人を見た職員は、古びた服を着て、爪の汚れがひどい事などから疑念を抱いたが、同相談所が市の障害福祉課に報告したのは2007年1月、食堂経営者に対しての事情聴取したのは6月4日だった。市は11日、障害者年金が振り込まれていた北門信金の通帳の提出を求めたが、経営者は数日後、行方をくらませた。
過酷な労働実態と虐待[編集]
- 1日12時間以上の労働。
- 休みは月2回。
- 障害者基礎年金を横領。
- 朝・昼・晩の食事は客の残り物。
- 1999年以降給与支払いがなかった。
- 風呂は月に2回(1人に390円を渡したのみ)
経営者(会社)の違反[編集]
その後[編集]
- 2008年2月、被害者4人は食堂の運営会社とその経営者、職場をあっせんし委託していた札幌の障害者支援団体と障害者年金振り込み先金融機関などに対して、総額4500万円以上の損害賠償を求めて提訴し、2011年2月28日和解が成立。非公開協議で4人に対して被害弁済金支払いと労働条件に対する謝罪に今後の生活支援などが条件となったことが原告の代理人から発表された[1]。
- 2009年10月20日告発され、逃亡中の元経営者が不起訴になったことに対し、障害者支援団体と被害者4人は検察審査会に審査を申し立てを行った。
脚注[編集]
- ↑ 北海道新聞、2011.2.28夕刊