暴走族

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暴走族(ぼうそうぞく)は、公道で危険な走行を繰り返す集団を指す言葉である。1980年代初頭をピークとするが、現在も根強く生き残っている。なお、ネットを中心に「珍走団」と呼称されることも多い。

概要[編集]

暴走族にはいくつかの類型があり、共同で騒音をまき散らしたり低速で蛇行運転を繰り返すことにより意図的に交通渋滞を引き起こしたりする共同危険型と呼ばれるものが一般的に暴走族とイメージされるものである。また、一人でタイムアタックや最高速チャレンジしたり、2人などの少数で競争する違法競争型暴走族という者もあり、こちらは走り屋と呼ばれるものである。本稿では主に前者の共同危険型について述べる。

暴走族のカスタムとして、二輪車であればロケットカウルや絞りハンドル、3段シートなどと呼ばれる背もたれ付きのシートなどが定番であり、そこに爆音のマフラーや旗などが加わるものが定番であった。四輪車、所謂ハコ車であればマフラーを延長し、90度近く空に向けて曲げた竹槍マフラーや大きく張り出したチンスポイラー(通称出っ歯)などが定番化していた。また、暴走族独特のスタイルもあり、かつては特攻服と呼ばれる特殊な衣装を纏ったものが多かったが、現在ではよほど気合の入ったチームでなければ見られることはない。

暴走族は暴力団の下部組織としての側面を持ち合わせていたこともあり、暴力団に加入するリクルートの場になっていたこともある。なお、社会のルールから外れる一方で自分たちで決めたルール(掟とも呼ばれる)には厳しく、厳しい上下関係など体育会系を極めたような集団である。暴力団は暴走族による交通事故や暴走族同士の抗争のケツ持ちを務める見返りとしての上納金を納める必要があったことから、カツアゲ窃盗に手を染める原因ともなっており社会問題と化していた。そんな背景もあり、暴走族がメインに使っていた二輪車を槍玉に挙げ、教育者や保護者を中心にバイクは非行の始まりなどとして三ない運動普及の契機ともなってしまった。

なお、不景気のあおりを食らっているのか、400ccのバイクやセダンが中心であった暴走族も原チャリや型落ちの軽自動車になっていることがある。また、かつて暴走族に所属していたものを中心とした旧車を改造した集団が「旧車會」を名乗って迷惑走行していることもあり、純粋な旧車愛好会である「旧車会」が風評被害を受けている。

市民社会から見れば鼻つまみ者だが、表現する側から青春の1ページとして語られ、漫画映画になったり、族出身の人間はやたら仕事ができ、成績優秀な営業マンになったり、予備校教師になったりすることもある。一方、そういった行為に偏見を持つものは少なくなく、現在ではそういった経歴がバレると内定取り消しや人間関係の破綻などにつながるケースもあるという。おたくの天敵になる存在ともいえるが、機械いじりが好きなオタクと良好な関係を築く例も少なからず存在している。

生態[編集]

夜間に集団で集まり、数が大きくなると増長してより迷惑の度合いが高まるという生態がある。バイクのスロットルを前回にし、クラッチなどを使ってリズミカルに吹かす「コール」と呼ばれる鳴き声を発して仲間を呼んだり、意思疎通を図っているとみられている。なお、通常は夜が活動時間帯であるが、長寿の個体などは昼に集団で同様の行為を行う群が確認されており、亜種として認定されている。日付を理解する程度の知能があるとされ、1月1日の明け方に集団で暴走行為を繰り広げる性質を持っている。この際は通常とは違った姿で暴走することから、他の動物で見られる婚姻色との関係が示唆されている。

1980年代に日本全体で隆盛を極めたものの、警察による乱獲環境の変化についていけないせいか都市部を中心にその生息数を急速に減らしており、レッドデータブックに掲載される日も近いといわれている。現在でも地方において散発的に目撃されているほか、沖縄県などでたまに大発生するときもある。

珍走団[編集]

暴走族という言葉に「かっこいい」と思わせるようなニュアンスがあるといわれており、2001年にダサいネーミングをラジオ番組で募集し選ばれたのが「珍走団」であったとされている。DQNを嫌う当時の2chでは大流行したものの、長いこと日の目を見ることはなかった。しかし、福岡県警でポスターに「暴走族?いいえ、珍走団です」と書かれたものを掲示。2017年ながら2000年初頭の2chを思わせるポスターであった。

余談[編集]

何かとお笑いのネタにされやすく、紳助竜介ギャグシンセサイザーコント赤信号がよく暴走族をネタにしていた。また、いつもここからはバイクのハンドルを使いあるあるネタを演じていた。

関連作品[編集]

関連語句[編集]