体育会系
体育会系(たいいくかいけい)は、部活動などの分類の一つ。また、それらに属する人や類似する体制をとっている組織を指す一種のカテゴライズ(ステレオタイプ)である。就職活動において高スコアをたたき出す脳筋の集団とされることもある。
概要[編集]
日本の部活動において、特に運動系はスパルタ教育的な練習に加え、厳しい礼節や連帯責任、徹底的な上下関係[注 1]という体制である部活動が多く、所謂「体育会系」と呼ばれるようになったものである。特に有名なものでは亜細亜大学野球部であり、1年生は上級生を正座で出迎えなければいけなかったり、練習前に1500m走を10本走ったり、服装の指定や電車で座ってはならないなどの厳しい規則から軍隊式野球部とまで言われるほどである[1]。また、これらに加えて精神論や根性論も持ち合わせており、苦痛や苦労こそが美徳とされる風潮もあり殊更問題となっている。
軍隊やそれに準ずる組織の場合はトップダウン型の命令伝達がなされることも多く、ある程度の上下関係の必要性は理解できるうえ、勝手な行動が同僚や組織に甚大な被害を被る原因ともなることから「連帯責任」の重要さを説く必要性は少なからず存在している。一方で部活動などにおける過剰なまでの上層を敬い、下層を虐げる上下関係や理不尽な連帯責任は目的の達成(大会での優勝)との関連性が薄く、本来好きでやっていたはずの競技が失敗を恐れてトラウマになってしまうこともあるなどデメリットのほうが大きいものである。
なお、体育会系は運動系の部活動に限った話ではなく、文化系の部活動にも多くみられるものである。特に吹奏楽部などは協調性や演奏の体力醸成の為体育会系に近い活動形態のものも多くみられる[注 2]。
オタクの対極をなす存在であり、ギャルと並んでオタクの天敵ともいえる存在である[注 3]。
日本の公務員[編集]
国家公務員法においては第98条に、地方公務員法にあっては第32条において、「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と規定されている。そのため公務員自体が体育会系の組織であると指摘されていることもある[2]。もっとも、役所などの事務職でも災害時には非常態勢による活動が想定されるため、トップダウンによる指揮系統の統制はある程度はやむを得ないとされている。
会社において[編集]
体育会系で育った就活生は企業からの受けがいいといわれることもあり、就職面接で「好きな野球には耐えられたが仕事はどうかな」みたいな嫌味を言われるのだが「好きな漫画やアニメ、鉄道」を続けてきた学生よりは好印象とされる。
営業においては基本的な礼節を持っていない場合、客先に失礼を与えてしまうこともあるため、挨拶などを叩き込まれた体育会系の受けがいいというのは事実である。一方、体育会系のノリで行われるパワハラやモラハラも後を絶たず、ハラスメント防止やコンプライアンス遵守が求められる令和時代においては逆風が吹き始めているようである。