文民

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文民(ぶんみん)とは日本国憲法において定められている内閣総理大臣国務大臣の任命要件である。

根拠となる条文[編集]

日本国憲法第66条
2. 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。[1]

概要[編集]

日本国憲法制定時に「civilian」の訳語として考案された言葉である。日本国憲法は帝国議会提出時の草案では陸海軍の一切の保持を禁じていたが衆議院芦田修正が行われたことで将来の再軍備の可能性が出てきた。そこで軍人の政治関与を排除する条文が必要になったため66条2項の条文が挿入されたと言われている。というのも戦前の大日本帝国憲法が軍人の過度の政治干渉を招いた経緯があり、シビリアンコントロール(文民統制)の条文は必須であるという認識があったのである。ちなみにその戦前では逆に「統帥権の独立」という規定が憲法に定められており[2]、文民(という語は当時無かったが)の軍事に関する発言権が著しく小さかった。

解釈[編集]

この「文民」という言葉をどのように解釈するかは学者の間でもこれまで様々な意見に分かれてきた。大きく分けると

  1. 現在軍人でない者
  2. 職業軍人の経歴を有しない者
  3. 軍国主義思想の持たない者

の3つがあったが現在の政府解釈は下記以外の者としている。

  1. 旧陸海軍の職業軍人の経歴を有する者であって、軍国主義的思想に深く染まっていると考えられるもの
  2. 自衛官の職に在る者

また、自衛官をどの様に解釈するかにも議論があった。自衛隊発足当初は「自衛隊は武力組織ではない」という建前であったため自衛隊員は文民とされてきた。しかし時代が進み自衛隊に対する認識が変化してきたため1965年に内閣法制局長の国会答弁で「現役の自衛官は文民ではない」と変更された。[3]元自衛官が文民であるか否かは未だ定説はないが政府解釈では「文民であり国務大臣に就任できる」としている。

注釈[編集]

  1. http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM
  2. 「天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス」(大日本帝国憲法第11条)の条文を「軍事に関する決定権は天皇にしか無い」と解釈し、内閣や議会の干渉を排除する規定。
  3. http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/048/0514/04805310514021a.html 衆議院会議録 第048回国会 予算委員会 第21号

関連項目[編集]