山田辰雄

山田 辰雄（やまだ たつお、1938年1月7日 - ）は、政治学者。慶應義塾大学名誉教授。専攻は中国近代政治史。

人物

中華民国政治史研究、日中関係史研究の第一人者として知られる。石川忠雄の門下生で、学部2年時に法律学科から政治学科に転科、3年時に石川ゼミに入った。石川門下の大半が中国共産党を研究する中、孫文や中国国民党に興味を持ち、国民党史の研究を始めた。中国共産党を中心とした中国現代史観に異論を唱え、政治勢力の相互関係を見ていく、それぞれの政策や路線を相対化して見ていくとする「中華民国史観」（民国史観）を提起した。この観点から国民党左派を研究し、『中国国民党左派の研究』（慶應通信、1980年）を刊行した。改革開放後は中華民国と中華人民共和国の「歴史的連続性」の問題を提起した。

門下生に国分良成（慶應義塾大学元教授、防衛大学校校長）などがいる。「新しい日中関係を考える研究者の会」呼びかけ人、幹事（2013年9月〜2015年3月）。

経歴

• 1938年1月7日、東京都生まれ。
• 1963年8月、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。
• 1965年3月、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了。
• 1965年4月、慶應義塾大学法学部助手。
• 1969年3月、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。
• 1969年4月、慶應義塾大学法学部専任講師。
• 1972年4月、慶應義塾大学法学部助教授。
• 1977年4月、慶應義塾大学法学部教授。
• 1979年9月、「中国国民党左派の研究」で法学博士（慶應義塾大学）。
• 2002年3月、慶應義塾大学を選択定年により退職。
• 2002年4月、慶應義塾大学名誉教授。放送大学教授。
• 2008年3月、放送大学を退職。

著書

単著

• 『中国国民党左派の研究』慶應通信、1980年4月。
• 『中国近代政治史』放送大学教育振興会［放送大学大学院教材］、2002年3月。改訂版、2007年4月。

共著

• 『四川省の環境問題』楊治敏共著、慶應義塾大学出版会［G-SEC design］、2004年12月。

編著

• Political Party of Asia and the Pacific，2 vols.（associate editor and contributor）Greenwood Press，1985.
• 『近代中国人物研究』慶應通信、1989年2月。
• 『日中関係の150年――相互依存・競存・敵対』東方書店、1994年8月。
• 『中国環境研究――四川省成都市における事例研究』橋本芳一共編、勁草書房［慶應義塾大学地域研究センター叢書］、1995年6月。
• 『近代中国人名辞典』霞山会、1995年9月。
• 『歴史のなかの現代中国』勁草書房［慶應義塾大学地域研究センター叢書］、1996年4月。
• 『日中比較近代化論――松阪大学日中シンポジウム』中井良宏共編、晃洋書房、1996年5月。
• 『「豆炭」実験と中国の環境問題――瀋陽市/成都市におけるケース・スタディ』慶應義塾大学出版会［慶應義塾大学産業研究所叢書］、2001年6月。
• 『現代東アジアの政治』小島朋之、小此木政夫共編著、放送大学教育振興会［放送大学教材］、2004年3月。改訂版、小此木政夫共編著、放送大学教育振興会［放送大学教材］、2008年3月。
• 『橘樸 翻刻と研究――『京津日日新聞』』家近亮子、浜口裕子共編、慶應義塾大学出版会、2005年11月。
• 『中国の地域政権と日本の統治』姫田光義共編、慶應義塾大学出版会［日中戦争の国際共同研究1］、2006年6月。
• 『蔣介石研究――政治・戦争・日本』松重充浩共編著、東方書店、2013年3月。

訳書

• A.ドーク・バーネット著、石川忠雄共訳『中国――毛沢東以後への過渡期』鹿島出版会［鹿島平和研究所選書］、1976年7月。

外部リンク

• KAKEN — 研究者をさがす | 山田 辰雄 (50051488)