山形・東京連続放火殺人事件

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

山形・東京連続放火殺人事件(やまがた・とうきょうれんぞくほうかさつじんじけん)とは、2010年から2011年にかけて男女三人が殺害された事件である。

概要[編集]

2010年10月2日、山形県山形市下条町4丁目の民家で出火。焼け跡から、焼死した男性Aとその妻Aの遺体が発見された。

2011年11月24日には、東京都江東区毛利2丁目のマンションから出火が確認され、女性Bの遺体が発見された。

その後、女性Bの長男を装うなどして住民票の写しを手に入れたりしたとして、有印私文書偽造ストーカー規制法違反で男性Bと女性Cの夫妻が逮捕。その後、両容疑者に対して、女性Bを殺害したとして有印私文書偽造、ストーカー規制法違反、殺人現住建造物等放火逮捕監禁の容疑で起訴に至った。

また、男性Aと妻Aの放火殺人事件にも関与したとして、東京地検は男性Bを殺人、現住建造物等放火罪でを追起訴する。

裁判経過[編集]

裁判で女性Cは容疑をすべて認めており、弁護側は女性Cは夫の男性Bに支配されている関係だったと主張して減刑を求めた。2012年11月13日、東京地裁は、被告の女性Cに対して、懲役18年(求刑懲役22年)を言い渡した。弁護側は、控訴せずに判決が確定した。

検察側は、男性Bは、交際相手である女性Cを支配しようと、山形市で女性Cが交際していた男性の両親の自宅に放火して焼死により殺害。東京都では妻と共謀し、女性Cが交際していた男性の母親を大型のプラスチック製たらいをかぶせたうえで炭を燃やし、一酸化炭素中毒で殺害。火災によって死亡したと見せかけるために自宅に放火したとした。男性Bは、容疑をほぼ認めるも、山形市での殺人については殺意を否認。検察側は、灯油入りのポリタンクを名古屋から運んでいることから、明確な殺意があったと主張。山形市の事件は、元交際相手の職場だった隣の工場を燃やすつもりだったとして殺人罪は成立しないと主張する弁護側と対立した。2013年5月24日、検察側は、三人が殺害された結果は重大で、被告側に真摯な反省が見られないとして死刑を求刑した。一方、弁護側は、更生の余地があるとして死刑回避を求めている。

2013年6月11日、東京地裁平木正洋裁判長)は、検察の求刑通り死刑判決を言い渡した。被告が否定して唯一事実関係が争われた山形県の事件での殺意の有無について、殺意を認定した。弁護側は24日に判決を不服として東京高裁に控訴した[1]

2014年10月1日、東京高裁(八木正一裁判長)は被告側の控訴を棄却して死刑判決を言い渡した[2]。判決では「山形の放火が失火とされたことから完全犯罪を目論んで東京の事件を繰り返して起こした身勝手な犯行」で死刑はやむを得ないとした。

関連項目[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 「東京・山形3人殺害 死刑求刑」- 2013年5月24日読売新聞朝刊34面