就業規則
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就業規則(しゅうぎょうきそく)とは、会社が労働者の賃金や労働時間などの労働条件、仕事上のルールを定めた規則のことである。常時10人以上の労働者を雇用している会社は必ず就業規則を作成し、厚生労働省管轄の労働基準監督署に「遅滞なく」届け出る義務がある[1]。作成・変更・届出義務に関する違反は、30万円以下の罰金となる。
ただし10人未満であっても職場のルールを明確にするため、就業規則を作成することが望ましい[2]。なお、常時10人以上とは正社員のみではなく、アルバイトやパートタイマーも含む。つまり週1日勤務のアルバイトが10人の場合でも常時10人以上となる[2][3]。
就業規則の書式は決まっていない。しかし、必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、当該事業場で定めをする場合に記載しなければならない事項 (相対的必要記載事項)がある(労働基準法第89条)。
ただし、絶対的必要記載事項(必ず書いておかないといけない事項)には3つのものがある[1]。
- 始業と就業の時刻・休憩・休日などの労働時間に関しての事[1]。これには育児・介護休業法に基づく育児休業・介護休業などを含む。交替制の場合には就業時転換に関する事項も同様である[3]。
- 賃金に関する事項[1]。賃金の計算及び支払い方法、賃金の締め切りおよび支払いの時期ならびに昇給に関する事項[3]。
- 退職に関する事由[1]。これは解雇の事由も含む[3]。
就業規則は会社が定めるルールであるため、会社側に都合のいいものになりがちな場合が多い。労働基準法で定められた基準より低い労働条件を定めて就業規則に盛り込むことは違法行為となるため、無効になる[1]。
就業規則の範囲[編集]
労働条件や服務規律等といった就業上のルールは、名称が就業規則でなくとも、すべて就業規則に該当し、含まれる。
法令の定め[編集]
労働基準法
- 作成及び届出の義務
第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
- 作成手続き
第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
- 制裁規定の制限
第九十一条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。