宮野真生子

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宮野 真生子(みやの まきこ、1977年 - 2019年7月22日)は、哲学者。福岡大学人文学部文化学科准教授。

略歴・人物[編集]

大阪府で生まれ、和歌山県で育つ。2000年京都大学文学部文学科卒業。2007年京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得満期退学。2014年時点で福岡大学人文学部文化学科准教授(日本哲学史専攻)[1]。2019年3月「個体性と邂逅の倫理 -九鬼哲学の射程-」で大阪大学より博士(人間科学)を取得[2]。2011年に乳がんが見つかり[3]、治療中に多発転移を宣告された[4]。闘病生活の末、2019年7月22日午前9時過ぎに京都の病院で死去した。42歳没[5]

専門は『偶然性の問題』(1935年)が主著の哲学者・九鬼周造。偶然性や出会い、恋愛や家族、性などもテーマに哲学を研究した[5]。没後の2019年9月、博士論文を基にした『出逢いのあわい――九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』(堀之内出版)、医療人類学者・磯野真穂との往復書簡をまとめた『急に具合が悪くなる』(晶文社)が刊行された。磯野とは2018年9月にイベントで出会い[6]、2019年4月27日から死去直前の7月1日まで20通の往復書簡を交わした[5]

著書[編集]

  • 『なぜ、私たちは恋をして生きるのか――「出会い」と「恋愛」の近代日本精神史』(ナカニシヤ出版、2014年5月)
  • 『愛・性・家族の哲学(全3巻)』(藤田尚志共編、ナカニシヤ出版、2016年4月)
  • 『出逢いのあわい――九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』(堀之内出版[nyx叢書]、2019年9月)
  • 『急に具合が悪くなる』(磯野真穂共著、晶文社、2019年9月)

分担執筆[編集]

  • 木岡伸夫、鈴木貞美編著『技術と身体――日本「近代化」の思想』(ミネルヴァ書房、2006年3月)
  • 竹内整一、金泰昌編『「おのずから」と「みずから」のあわい――公共する世界を日本思想にさぐる』(東京大学出版会、2010年6月)

主な論文[編集]

  • 「個体性と邂逅の倫理――田辺元・九鬼周造往復書簡から見えるもの」(『倫理学年報』第55集、2006年、日本倫理学会和辻賞受賞)
  • 「「倫理」としての「偶然性」」(『理想』第685号、2010年)
  • 「九鬼周造の存在論理学」(『西日本哲学年報』第19号、2011年、西日本哲学会若手奨励賞受賞)
  • 「死と実存協同――無常を超えて偶然を生きる」(『倫理学年報』第62集、2013年)[1]

出典[編集]

外部リンク[編集]