宮崎茶

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宮崎茶(みやざきちゃ)は、愛知県岡崎市宮崎地区で製造されている。茶業研究者の松下智は愛知県でもっとも古い茶産地ではないかとしている[1]

特徴[編集]

乙川が流れる宮崎は真夏でも冷涼な気候であり、理想的なの産地であるとされる[1]

歴史[編集]

岡崎市立宮崎中学校の校長を務めた平松七郎の調査によると、室町時代頃から宮崎で茶が栽培されていたとされ、この地への臨済宗の普及とともに茶も流入したとされる[1]。宮崎にある瑞雲寺・天恩寺・少林寺・聞桂寺・法林寺の寺領には決まって古い茶畑があり、少林寺にある茶樹は推定樹齢400-500年の古株である[1]。貞享4年(1687年)頃には立派な茶畑があり、年貢も納めていたとされる[1]

古くからの産地だったことで、明治時代初期には宮崎茶も輸出された[1]。1884年(明治17年)頃には40戸近い茶農家があった[1]。嘉永5年(1852年)に生まれた山本源吉は、1889年(明治22年)に町村制で発足した額田郡宮崎村の初代村長に就任し、宮崎茶の発展に貢献したとされる。かつては宮崎番茶を製造していたが、現在は途絶えている。

宮ザキ園[編集]

青年農業者を対象にした2019年(平成31年)の第78回中日農業賞では、宮崎茶を製造する宮ザキ園の梅村篤志が優秀賞に選出された[2]。宮ザキ園は文政3年(1820年)創業の茶園であり、梅村篤志は6代目の園主である[2]。宮ザキ園の茶園は2.67ヘクタールであり、やぶきた種を中心にすべて有機栽培で生産している[2]。製造した茶はイギリスや香港にも輸出されている[2]。2010年(平成22年)には有機栽培紅茶「わ紅茶」を製造・販売している[2]

脚注[編集]

  1. a b c d e f g 松下智「最も古い宮崎茶」『三河の茶』東愛知新聞社、p. 12
  2. a b c d e 梅村さんが「宮崎茶」で優秀賞を受賞 地域の振興目指す 第78回中日農業賞 JAあいち三河、2019年3月19日

参考文献[編集]

  • 『岡崎市の今昔』樹林舎、2020年、p. 182

関連項目[編集]

  • 宮崎番茶 - 宮崎茶のひとつ。現在は製造されていない。