大野泰
大野 泰は日本の舞台美術家。
概要[編集]
1960年代後半、新宿アートシアターで演出家デビューを果たしたばかりの蜷川幸雄、そして清水邦夫(木冬社主宰)らと共に「鳩よ俺たちは弾丸をこめる」をはじめとする演劇作品(1969〜1972年)で芸術監督のキャリアをスタート。俳優座、青年座、文化座、松竹演劇制作部他の多くの演劇作品の芸術監督を歴任。
また、映画では、東陽一監督の「四季奈津子」(1981)、「マノン」(1981)をはじめ、ポール・シュレーダー監督の「MISHIMA」(1985/製作総指揮 フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス)、リドリー・スコット監督の「ブラック・レイン」(1989 松田優作出演)他の劇場公開作品にてアート・ディレクターを担当。カンヌ国際映画祭美術奨励賞を受賞した映画「MISHIMA」にて石岡瑛子班のチーフデザイナーを務めて以降は、多くの海外公演にも進出。
歴代最高齢でノーベル賞を受賞した女流作家ドリス・メイ・レッシングの作品のオペラ「プラネット8の模型の制作」(1987 米ヒューストン、1991 パリ、ベルリン、北京/音楽監督フィリップ・グラス)、デイヴィット・ヘンリー・ファン作「M BUTTERFLY」公演(1987〜1989 NY,ワシントンD.C,イタリア他)他、建築家 磯崎新の「東京・その形と心」展(1986 米ミネアポリス/AD:石岡瑛子・横尾忠則)、また、通算1000回を越える公演記録を持つ坂本長利の一人芝居「土佐源氏」(1986 英エジンバラ)等でもアート・ディレクションの手腕を発揮。
その他ファッションの分野ではデザイナー やまもと寛斎の「大寛激祭」(1983 国技館)、「心エネルギー」(1986 パルコ劇場)、「行くぞ」(1987 大谷石採石場)他のイベント、また、舞踏家 勅使河原三郎の記念碑的公演「月の駅」(1987 旧汐留駅/山口小夜子・KARAS)や、音楽の分野では細野晴臣プロデュース本條秀太郎「ATAVUS/先祖帰り」(1989)、「ATAVUS 2/AMATERU:海照」(1990 東京、大阪、スペイン、仏、北京)等の内外公演でも芸術監督を歴任。2003年より毎年定期的に行われて来た「瀬戸内寂聴朗読公演」や近年では歌・音楽・人形芝居を独自のスタイルで融合しパリと日本の両公演で好評を博した「中村中×牡丹灯籠」(2007〜2008/エイベックス DVD作品)等の舞台芸術で活躍。日本文化を掘り下げた新たな境地の演出を展開し始めている。
この他にもNHK他の放送分野、東京ガス、味の素、パナソニック、日産自動車、東京モーターショー等の企業、通産省や各都道府県のイベントや公演等数多くのプロジェクトにも参加している。