大前神社 (南魚沼市)
大前神社(おおさきじんじゃ)は、新潟県南魚沼市大崎の神社。現在の祭神は宇迦之御魂命、佐田彦命、大宮能賣命、大己貴命、神功皇后。境内からは滝谷の清水が湧き出し、新潟県名水百選に指定されている。
創建年には複数の説があり、和銅年間(708年-715年)に瓊瓊杵尊の分霊を勧請したとも、弘仁年間(810-824年)に稲荷大明神の分霊を勧請したともいわれる。当初は、巻機山に鎮座していたが、大同2年(807年)に大田諸命を遷座したと伝わる。延長5年(927年)にの編纂になる延喜式神名帳に式内社として記載された大前神社に比定され、古来から大崎村と柳古新田村の産土神として信仰されてきたことが知られる。境内は八海山への登拝口でもあり八海山信仰とも関わっていたという。ただ、延喜式完成から中世にかけては記録等が全くなく、関ヶ原の戦いで越後地域では上杉景勝に呼応して一揆が発生し時の神官が会津に逃れている事から中世には上杉氏により庇護されていたとも考えられている。江戸時代の元和年間(1615年-1624年)になると後に神官となる山田吉重により再興され、享保15年(1730年)に伏見稲荷大社の分霊を勧請し、稲荷神社、稲荷大明神などと呼ばれていた。寛政9年(1797年)吉田家の宗源宣旨により旧社号とされる現在の社号の大前神社に改めている。明治時代になると神仏分離令と修験道廃止令によって仏式が排され、明治6年(1873年)には村社に列した。現在、毎年8月15日、夏の例祭で奉納される翁式三番は、翁、千歳、三番叟、で構成される舞で、平安時代に発生した大和猿楽を継承する郷土芸能として、昭和56年(1981年)に新潟県指定無形民俗文化財に指定されている。
読み[編集]
大前神社は、「おおさきじんじゃ」と読む新潟大学の資料がある[1]。新潟県庁も読みを「おおさきじんじゃ」[2]としている。新潟県神社庁でも、「おおさきじんじゃ」としている[3]。ただし、一部の資料で「おおまえじんじゃ」としているものもある[4]。