地震防災対策強化地域判定会

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地震防災対策強化地域判定会(じしんぼうさいたいさくきょうかちいきはんていかい)は、日本の防災機関の1つ。大規模地震対策特別措置法に基づき、地震予知に関する判断を行なうために1979年8月7日に発足した、気象庁長官が委嘱する私的諮問機関である[1]。通称「判定会」。前身は1977年4月18日に地震予知連絡会の中の組織の1つとして発足した「東海地域判定会」である[2]。 

概要[編集]

この判定会は、日本の地震学研究の第一人者6名からなり、大地震の発生可能性を事前に判定すること(すなわち地震予知を行うこと)を任務としている。

「地震防災対策強化地域判定会要綱」によれば、

判定会は気象業務法第一一条の二に定める気象庁長官の任務の遂行のため、強化地域に係る大規模な地震の発生のおそれについての判定を行うとともに、これに必要な調査検討を行うものとする。

とのことである[3]

東海地震の発生が想定される東海地域などで、気象庁が地震観測のために設置した体積ひずみ計などの観測データに異常が現れた場合、大地震との関連性を検討・判定するために、判定会の招集が行われる[4]。この時、判定会には「地震発生の有無を審議し気象庁長官に報告する」役割があり、東海地震発生の恐れがあると正式に判定された場合、長官は地震予知情報を発表して内閣総理大臣に報告し、閣議を経て警戒宣言が発令される[5]

正式な判定会の招集は、実際に地震観測における異常データが観測された場合にのみ行われるが[6]、原則として定例の判定会が毎月1回実施されている。これは、平常時のデータを把握した上で、実際に異常データが観測された時にそれを速やかに判断できるようにするためである[7]

なお、かつて判定会は東海地震のみを対象としていたが[1]、2017年11月1日以降は、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」と一体となって検討を行っている[7]

委員名簿[編集]

2020年4月1日時点で、判定会は以下の6名の地震研究者からなる[7]

歴代会長一覧[編集]

類似の組織との比較[編集]

組織名 発足年 任命権者 人数 設置根拠
地震予知連絡会 1969年 国土地理院 30名 測地学審議会建議
火山噴火予知連絡会 1974年 気象庁長官 30名 測地学審議会建議[8]
地震防災対策強化地域判定会 1979年 気象庁長官 6名 大規模地震対策特別措置法
地震調査委員会 1995年 文部科学大臣 12名 地震防災対策特別措置法

脚注[編集]

外部リンク[編集]