北アイルランド
北アイルランド(きたアイルランド、Northern Ireland)は、アイルランド島北東部の地域。イングランド、スコットランド、ウェールズと共に、イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)を構成する国家である。
概要[編集]
元々はイギリスの植民地であったアイルランド島を1920年にアイルランド統治法によって北部の6州を北アイルランド(プロテスタントの多い地域)、南部の26州を南アイルランド(カトリックの多い地域)に分割して自治権を付与。アイルランド独立戦争で成立した英愛条約によって南アイルランドがアイルランド自由国を建国したときには、北アイルランドもアイルランド自由国の一員として加わっていた。アイルランド自由国に建国直後に起きたアイルランド内戦が始まると、アイルランド自由国から離れて北アイルランドは連合王国の一員となった。
歴史[編集]
1960年代後半に北アイルランド問題が発生する。プロテスタントが多数派だった北アイルランドにおいて、カトリックが差別を受けていたことから発生。アメリカ合衆国の黒人による公民権問題を受けて「公民権協会(NICRA)」が設立。差別停止を訴えた。
1970年代には過激派によるテロが頻発。これは、1972年1月30日に北アイルランドのデリーで、血の日曜日事件(Bloody Sunday)が発生したことが原因の一つとなっているともいわれる。この事件は裁判によらずに監禁するということに反対した市民の平和的なデモに対して(当時は非合法ではあったが)、イギリス兵が発砲して死傷者がでたというものだった。
1998年にベルファスト合意によって、北アイルランド政府が樹立される。しかし、「IRAが武装放棄をしていない」として2002年からはイギリス政府が直轄統治している。2007年5月に再び自治政府が再開。その後、議会の機能停止と再開を繰り返しつつも続いている。
宗教[編集]
キリスト教が多数派を占めている。詳しくは「北アイルランドの宗教」を参照。