パワーハラスメント
パワーハラスメント(英:Power harassment)は、職務上の優越的な地位や人間関係等を含む権力を背景として、業務上の適正な範囲を超えて、同じ職場のメンバーなどに対して精神的・身体的な圧力をかけて苦痛を与えるなどを行う行為である。略して通称を「パワハラ」という。
上司から部下へのいじめや嫌がらせが典型的であるが、部下から上司へのパワハラや、先輩・後輩間のような、「社会的に弱者とされる、社会的に強者とされる対象に対するパワハラ」もある。
対処方法[編集]
その1 パワハラ相手の嫌いな人と仲良くする。
その2(募集中…)
その3(募集中…)
行為の態様[編集]
身体的圧力とは、体を叩く、殴る、蹴る、突く、髪を引っ張る、胸ぐらをつかむなどの物理的な行為をいう。 精神的圧力とは、脅迫、侮辱、その他の精神的圧迫をいう。人間関係の切り離し、仲間はずれにする、無視するなども含まれる。当人の能力や経験を大幅に上回る無理な要求をする、過大なノルマを与える、逆に仕事を与えずに長期に行燈部屋などに放置するなど意図的に仕事を与えないことも含まれる。 そのほか、職場環境を急に悪化させることもパワハラに含まれる。
歴史[編集]
パワハラは旧日本軍で盛んに行われ、戦後日本の多くの企業に広まった。昭和の時代は、転職が一般的でない上に、年功序列・終身雇用・福利厚生を企業が保障していたこともあり、度を越したパワハラもあまり問題視されてこなかった。しかし平成になり、こうした安定保障が難しくなったのに加え、転職の増加で従業員の立場が強くなり、管理職の悪事が問題視される様になった。さらに、インターネットの普及により、こうしたパワハラの実態が全世界に広まることとなり、多くの企業が組織文化として根付いたパワハラの実態解明を進めている。
厚生労働省の定義[編集]
厚生労働省では「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義している[1]。
つまり厚生労働省では、次の3つの要素がすべて揃っている場合に(労働環境上あるいは業務上の)パワーハラスメントとしている。
- 優越的な関係があること
- 業務の適正な範囲を超えて行われていること
- 身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
パワハラの6類型[編集]
パワハラには6つの類型があるとされている[2]。
- 身体的な攻撃
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過小な要求
- 個の侵害
事例[編集]
日本での著名な事例としては、高等学校卒業の新入社員が上司のパワハラにより自殺した暁産業事件、パワハラと過重労働が原因となって社員が自殺したサン・チャレンジ事件などがある。2022年には青森県の住宅会社「ハシモトホーム」でも発生した。
海外での定義[編集]
海外で「パワーハラスメント」の用語はあまり使われない[3]。使われるとしても「Power harassment」は日本と異なる意味で通用していることが多い。おおむね個人の政治的見解に対する嫌がらせという意味である。
日本でいうパワーハラスメントを英語圏では「Workplace bullying」(職場いじめ)というが、これにはいわゆるセクシャルハラスメントも含まれる。
韓国[編集]
韓国では「パワーハラスメント」を「カプチル」(갑질、Gapjil)という。「ナッツ・リターン」事件が知られている。
注・参考文献[編集]
脚注[編集]
- ↑ 職場のパワーハラスメントとは
- ↑ パワーハラスメントの定義について厚生労働省雇用環境・均等局、平成30年10月17日
- ↑ 和製英語とする説もある。