五段活用

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

五段活用」(ごだんかつよう)は、日本語動詞活用の一種。

概要[編集]

後ろにつながる語により、ア段からオ段までの五段にわたって形が変化する動詞。「走る」を例にとると、以下のように「ら・り・る・れ・ろ」の五段が現れることが分かる。

  • ない
  • ます
  • とき

このうち歴史的仮名遣いで「走らう」と綴られたものは、現代仮名遣いでは発音通りに「走ろう」となった。そのため、文語での四段活用からオ段が増えて「五段活用」の名がついている。

なお、ハ行とヤ行の五段活用動詞は存在しない。ハ行四段活用の「洗ふ」「言ふ」「思ふ」などは、口語では「洗う」「言う」「思う」のようにワ行五段活用になった。

また、ナ行五段活用の動詞は現代日本語では「死ぬ」のみである。そのため伏字で「○ねばいいのに」「○ね」などと書いたところで、実は伏せていないも同然なのである。

活用[編集]

未然形は、前述した「う」に接続する際にのみオ段になり、それ以外はア段を用いる。

連用形は、過去の「た」や接続の「て」などに接続する際、「咲た」「洗た」のように音便化する。「塞いだ」「包んだ」のように、連濁により「だ」「で」に接続する場合もある。

  • カ行・ガ行 - イ音便(ガ行のみ連濁を伴う)
  • カ行の「いく」、タ行・ラ行・ワ行 - 促音便
  • ナ行・バ行・マ行 - 撥音便(連濁を伴う)
  • ワ行の「問う」「請う」など - ウ音便
  • サ行 - 音便化しない

「ござる」「なさる」「くださる」「いらっしゃる」「おっしゃる」の5語は、「なさいます」「そうしてください」のように連用形と命令形が「い」となる(「ござる」は連用形のみ「い」)。

カ行 ガ行 サ行 タ行 ナ行 バ行 マ行 ラ行 ワ行
動詞の例 咲く 行く 塞ぐ 貸す 立つ 死ぬ 飛ぶ 包む 走る 下さる 洗う 問う
語幹 ふさ つつ はし くださ あら
活用語尾 (主な接続)
未然形 (ない)
(う)
連用形 (ます)
(た/
終止形 (。)
連用形 (とき)
仮定形 (ば)
命令形 (。)
活用の一覧
基本 五段活用 - 上一段活用 - 下一段活用
変格活用(古典のみ含む) サ行変格活用 - カ行変格活用 - ナ行変格活用 - ラ行変格活用
古典のみ 四段活用 - 上二段活用 - 下二段活用
ネタ性の高いもの バ行変格活用