中国製冷凍ギョーザ薬物中毒事件
中国製冷凍ギョーザ薬物中毒事件(ちゅうごくせいれいとうぎょーざやくぶつちゅうどくじけん)は、中華人民共和国で作られ農薬メタミドホスが混入したギョーザを食べた者が、下痢や嘔吐などの中毒症状を訴え、うち3人が一時重体になった食中毒事件である。
事件の経緯[編集]
発端は、2007年12月28日から1月22日にかけて、千葉県、兵庫県の3家族10人が、日本たばこ産業の子会社ジェイティフーズが中国より輸入した中国製の冷凍ギョーザを食べた後、吐き気や下痢など食中毒の症状を訴えた事に始まる。この事件では、僅か1個半の餃子を食べただけで、5際の女児が意識不明の重体に陥った[2]。
その後、この問題が大々的に報道されると、関西を中心に腹痛や体調不良を訴える人の報告が相次ぎ、2月時点で2000人近い人間が異常を訴える大事件へと発展した。
問題となったのはいずれも中国の食品会社天洋食品廠公司による製造で、両県警の鑑定により、メタミドホスなどの有機リン酸系農薬の成分が検出された。そのため、対象商品に加え天洋食品廠公司から商品や原材料を輸入していたとして、ジェイティフーズ、加ト吉、味の素冷凍食品、江崎グリコが該当商品を自主回収した。餃子は、天洋食品が加工から包装まで製造過程まで一手に行っていた。
混入されていた農薬メタミドホスは有機リン系の農薬でかなりの毒性を持ち、特に脳へと重大な悪影響を与え、中毒となった場合は後遺症が出ることも多い。これは、有機リン系の物質に共通する特性である。
回収商品一覧[編集]
ジェイティフーズ(市販用) [編集]
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ジェイティフーズ(業務用) [編集]
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加ト吉(市販用)[編集]
- Sごっつ旨いチャーシュー6枚入りラーメン
- ごっつ旨いチャーシューメンとんこつ
加ト吉(業務用)[編集]
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味の素冷凍食品(市販用)[編集]
- ピリ辛カルビ炒飯
味の素冷凍食品(業務用)[編集]
- カルビクッパ
社会的影響[編集]
本事件は「毒入りギョーザ事件」として恐れられ、消費者の中国産食品に対する警戒心を煽った。
中国政府の動き[編集]
中国内での報道では、中国共産党機関紙が手短に伝えた程度で、中国のネットでは「日本人は虚弱体質」「日本人が毒物を混入した」との書き込みもあったことが報じられた[2]。
2008年5月に来日した胡錦濤国家主席と福田康夫首相(当時)は首脳会談を行ったが、この問題についての具体的な進展はなかった[3]。
中国事情に詳しいジャーナリストの青木直人によると、中国政府は国内の反日世論を気にするあまり、日本政府、国民に対して謝罪ができなくなっているのではないかと分析している[4]。
JTインサイダー疑疑惑[編集]
脚注[編集]
出典[編集]
- ↑ 朝日新聞2008年1月31日朝刊より
- ↑ ギョーザ問題「日本人は虚弱体質だ」「日本人が毒物を混入した」2008年2月22日J-CAST
- ↑ “「ギョーザ」「チベット」具体的進展なし 日中共同声明”. 朝日新聞. (2008年5月7日) 2008年5月18日閲覧。
- ↑ 2008年3月25日日本文化チャンネル桜「爆弾!」[1]