ムウタディド
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ムウタディド(854年? - 902年)は、アッバース朝の第16代カリフ(在位: 892年 - 902年)[1]。
生涯[編集]
第15代カリフ・ムウタミドの弟・ムワファークの子で、伯父の時代に父と共に政権を掌握し、黒人奴隷のザンジュが起こした反乱を鎮圧するなど活躍する[1]。伯父には実子があったが、政権を掌握した関係から後継者には甥であるムウタディドが掌握し、892年にムウタミドが死去すると跡を継いだ[1]。即位後は積極的な軍事活動を行ない、失地回復を盛んに行なって成功し、アッバース朝の歳入アップや軍の充実につながった[1]。ただ、ムウタディドは軍人として血を好んだためか、巧妙に拷問器具を罪人に使用するなど余り良くない評価も少なくない[1]。とはいえ、ムウタディドの時代にアッバース朝は一時的な中興を成して復興したのである[1]。902年に死去し、跡を子のムクタフィーが継いだ。
生年に関しては854年と861年とする説があるため、享年は49か42となる[1]。
ムウタディドの中興は個人的な色彩が色濃かったため、後継者にはその中興は受け継がれずにアッバース朝は再び凋落することになる[1]。