プラスチックごみ
プラスチックごみとは、ペットボトルや包装材、レジ袋といったプラスチック製品から発生するゴミのことである。
概要[編集]
投棄されたり、埋め立て地から流出したりしたものの、その多くが最終的に海に到達し、その量は年間800万トンから1000万トン程度に上るとされている。ウミガメや海鳥、鯨などが餌と間違えて飲み込むほか、絡まって窒息死する原因にもなり、生態系に悪影響が出ると懸念されている。海を漂う間に砕かれてできる微粒子サイズのマイクロプラスチックは回収が困難で、環境中の有害化学物質を吸着する性質があり、生物に蓄積する危険性が指摘されている。
2018年6月の先進7カ国首脳会議では、欧州連合とカナダが海のプラスチックごみ削減に向けた数値目標を盛り込んだ文書を採択したが、日本とアメリカは署名を拒否して批判を浴びている。世界の海に漂うプラスチックごみは増加し続けており、2050年には海にいる魚の量を超えるとの試算も出ている。
対策[編集]
2020年7月1日、日本政府はプラスチック製レジ袋の有料配布を全国の小売店に義務付ける制度を施行した。対象になる袋は使い捨てレジ袋、つまりスーパーマーケットやコンビニなどの小売店で購入した商品を入れる軽い袋のことであり、ほとんどは石油を原料としたプラスチックの一種であるポリエチレン製である。これらは軽いために海に流出しやすく、回収やリサイクルが難しいとされている。薄くて柔らかいことから紫外線や波の力で劣化して微粒子上のマイクロプラスチックになりやすく、野生生物への影響やマイクロプラスチックによる環境や食品汚染への懸念から、各国で使用制限の動きが進められており、日本でもそれを今回初めてやるわけである。買い物客にマイバッグの使用を促し、プラスチックごみの削減につなげるためであり、各事業者が1枚当たり1円以上の価格を設定する。厚さ0.05ミリ以上で繰り返し使える袋や植物由来のバイオマス存在の配合率が25パーセント以上の袋などは有料化の対象から外されている。