フィアーシティ: ニューヨーク対マフィア
『フィアーシティ: ニューヨーク対マフィア』(原題:Fear City: New York vs The Mafia)は、2020年7月22日にNetflixで配信開始された3部作の犯罪ドキュメンタリー番組。80年代にFBIが主導したニューヨークの5大ファミリーの解体計画を描く[1][2]。
概要[編集]
若手の連邦捜査官たちが盗聴や張り込みを駆使してマフィアが組織的に犯罪を行っている証拠を集め、コミッション裁判でマフィアが大打撃を受けるまでを、元連邦捜査官らの証言と初公開のものを含む当時の実際に盗聴した音声テープ、映像、写真を用いて[1][3]、主としてFBIの視点から描いている[2][3]。監督のサム・ホブキンソンは、1974年のフランシス・フォード・コッポラ監督の映画『カンバセーション…盗聴…』から影響を受けて当時の音声や映像を継ぎ合わせる手法を取っている[3]。インタビューには元連邦捜査官や連邦検察官の他、カーティス・スリワ(自警団ガーディアン・エンジェルスの発起人)、G・ロバート・ブレイキー(RICO法を起草した弁護士・法学者)、ルドルフ・ジュリアーニ(元ニューヨーク州南部地区連邦検事)、ジョニー・アライト(コロンボ・ファミリーの元アソシエイト)、マイケル・フランゼーゼ(コロンボ・ファミリーの元カポ)などが答えている。当時の記録映像にはドナルド・トランプ(当時は不動産王)、ポール・カステラーノ(ガンビーノ・ファミリーのボス)、アンソニー・サレルノ(ジェノヴェーゼ・ファミリーのフロントボス)などが登場する。
エピソード[編集]
No. | タイトル | 原題 | 配信時間 | 配信日 |
---|---|---|---|---|
1 | マフィアに牛耳られた街 | "Mob Rule" | 49分 | 2020年7月22日 |
2 | ゴッドファーザーのテープ | "The Godfather Tapes" | 44分 | 2020年7月22日 |
3 | 審判の日 | "Judgment Day" | 63分 | 2020年7月22日 |
評価[編集]
レビュー収集サイトのRotten Tomatoesでは、22件の評論のうち高評価は68%にあたる15件、平均点は10点満点中7.50点で、批評家の一致した見解は「説得力のあるインタビューと洗練されたスタイルが楽しませるのを助けてくれますが、すでにこの事件を知っている人は新たな洞察をほとんど得られない」となっている[4]。Metacriticでは、シーズン1に対する10件の評論のうち高評価は6件、賛否混在は3件、低評価は1件で、平均点は100点満点中61点となっている[5]。
ダニエル・フィンバーグは『ハリウッド・リポーター』で「法執行機関の視点に立った型にはまったストーリーテリング」が特徴であるとし、「歴史を再現する仕掛けをいつどのように使うかにもっと一貫性があると良いと思うが、それは『フィアーシティ』全体を通して杜撰な点である」と述べている[6]。『ウォール・ストリート・ジャーナル』のジョン・アンダーソンは、「1970年代から80年代のニューヨークの組織犯罪に対する捜査の歪曲された歴史が示されている」と述べている[7]。
出典[編集]
- ↑ a b 「ボスを盗聴しろ」 NYを恐怖で支配した5大マフィア解体に挑む、FBIの捜査とは? JASON RODMAN
- ↑ a b Adrian Horton「Fear City: Netflix docuseries recounts a time when the mob ruled New York」The Guardian、2020年7月22日
- ↑ a b c Claire Shaffer「1970年代のNYマフィアの解体に迫る、Netflix最新作『Fear City』トレーラー公開」Rolling Stone、2020年7月16日
- ↑ Fear City: New York vs. the Mafia Rotten Tomatoes、2022年8月15日閲覧
- ↑ Fear City: New York vs. the Mafia: Season 1 Metacritic、2022年8月15日閲覧
- ↑ Daniel Fienberg「‘Fear City: New York vs. the Mafia’: TV Review」The Hollywood Reporter、2020年7月21日
- ↑ John Anderson「‘Fear City: New York vs. the Mafia’ Review: Cracking Down on La Cosa Nostra」The Wall Street Journal、2020年7月21日