ピタゴラスの定理

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ピタゴラスの定理(ぴたごらすのていり,英:Pythagorean theorem)は直角に関するユークリッド幾何学の基本的となる定理である。直角三角形の3辺の長さの関係を数式で示す。「三平方の定理」ともいう。

定理[編集]

直角三角形の斜辺(c)の長さの2乗は、他の2辺(a,b)の長さの2乗の和に等しい。

a2 + b2 = c2

歴史[編集]

紀元前3世紀にユークリッドが著書『原論』で証明している。5世紀にプロクロスの書いた『ユークリッド原論注釈』あるいは紀元前1世紀ローマの建築家ウィトルウィウスの『建築十書』には、この定理の発見者はピタゴラスと書かれている。 しかし、3700年前頃の古バビロニア(現イラク)の遺跡から、数学の「ピタゴラスの定理」を用いた正確な直角三角形が描かれている粘土板が発見された。粘土板は1894年イラクで発掘され、トルコの博物館に保管されていた[1]ニューサウスウェールズ大学数学統計学部のダニエル・マンスフィールド(Daniel Mansfield)上級講師は粘土板を解析して、直角三角形と辺の長さ「5、12、13」「8、15、17」が記載され、面積が計算されていることを確認した。

古バビロニアは紀元前2500年から500年の間の国家である。バビロニア人はピタゴラスより1千年早く定理を理解していたことになる。バビロニアの土地の契約の図面として使われていた[2]

ピタゴラス数[編集]

a2 + b2 = c2  となる自然数の三つ組(a,b,c)をピタゴラス数という。(3,4,5)のほか、(5,12,13)、(15,8,17)などピタゴラス数は無限にあることが知られている。

ユークリッド距離[編集]

空間の点aと点bとを結ぶ線分の長さをユークリッド距離という。ピタゴラスの定理が成り立つユークリッド空間の距離はユークリッド距離である。

参考文献[編集]