ニンテンドーゲームキューブ
ニンテンドーゲームキューブ(NINTENDO GAMECUBE)は、任天堂より発売された家庭用ゲーム機である。略称はGC。
苦戦[編集]
ハードウェアの設計理念がソフトウェアメーカーの支持を集めたものの、発売がPlayStation2に比べて遅すぎたこと、下位機種との互換性を持っていなかったこと、ディスク容量がライバル機と比較して少なかったこと、DVDの再生機能を搭載していなかったことなどが響き、参入メーカーはNINTENDO64より少し増加したものの、発売ソフトは少なく、任天堂の自社ソフトが売上の多くを占める状況となった。
日本ではNINTENDO64と同様、低年齢層を中心とした広い世代に一定のシェアを獲得したが、一番の顧客である若年層を上手く引き付ける事ができず、同世代の据置型ゲーム機の中では日本では2番手、世界的にはXboxにも劣勢を強いられ3番手となった。特にNINTENDO64のドル箱地域だった北米市場で4割近く販売台数を落としたことが痛手となった。
ソフト数こそNINTENDO64の206タイトルを上回る275タイトル(非売品除く)を記録したものの、本体の売上台数はNINTENDO64の3分の2程度に留まった。また、ユーザ間で評価の高いゲームも数多く存在するが、マリオやゼルダといった人気タイトルも、大半のユーザーがすでにPS2に流れてしまっていたため、口コミもあまり広まらなかった。日本国内におけるミリオン達成は『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のみで、他は皆ギリギリのところで100万本の壁を超える事ができなかった(ただし日本におけるゲームソフトの売り上げの減少は2000年前半から他のハードでも見られる現象である(「ゲーム離れ」の項も参照)。またこのことがニンテンドーDSとWiiにおけるゲーム層拡大戦略につながっている)。
末期の2006年に至っては、週間売り上げ台数が4桁台を割ることも珍しくなかった。また、当初2006年4月以降にGCでの発売を予定していたソフトは、Wii専用ソフトに変更(例:『スーパーペーパーマリオ』、『ドンキーコング たるジェットレース』、『アイシールド21』『星のカービィ(仮)』)、または『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』のようにGCとWiiのマルチ販売へと変更、あるいは発売中止になった。任天堂は2006年4月13日に『大玉』を発売して以降、2006年12月2日のWii発売まで、7ヶ月以上も据え置き機でのソフトを発売しなかった。 なお、オンライン限定販売で店頭での販売はされていないGC版『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』が、事実上GC最後のソフトとなった。
サードパーティーの動向[編集]
サードパーティーの中には、コナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント)、セガ(後のセガゲームス)、バンダイナムコゲームス(旧ナムコ)、カプコン、エレクトロニック・アーツなどのマルチプラットフォーム戦略をとる大手ソフトメーカーがあるため、PS2と重複発売されているタイトルが比較的多かった。任天堂ソフトの購買層に合わせて低年齢向けに偏ったラインナップが中心であった。
その中で、GCの独占タイトルとなったのは、2005年12月に発売された『BLEACH GC 黄昏にまみえる死神』(セガ)が最後であり、以降1年間サードパーティーのソフトはあまり発売されず、発売されたものも全てPS2とのマルチプラットフォームだった。そして2006年7月に発売された『バトルスタジアム D.O.N』(バンダイナムコゲームス)が、サードパーティー最後のソフトとなった。『実況パワフルプロ野球シリーズ』(コナミ)も、2002年7月の9作目以降毎回GCとPS2の両方でリリースしていたが、13作目はPS2のみとなり、GCで発売されたのは2006年5月に発売された『実況パワフルメジャーリーグ』が最後だった。
また、当初GCのみでの発売を決めたソフトが、方針転換してPS2への移植に、あるいはGCでの独占販売からPS2との重複販売へと踏み切ったケースがある。その例としてカプコンの『バイオハザード4』、『ビューティフルジョーシリーズ』、『Killer7』、ナムコの『テイルズ オブ シンフォニア』などが挙げられる。多くのタイトルは移植に際してGC版にはない「オマケ要素」が追加されていた。
GCの性能はPS2よりも高いため、これらのソフトがPS2に移植される際には、画質や動作の劣化、ロード時間の延長などが避けられない。基本的にハードの限界の問題だが、他にも、それらの移植作業自体が「プログラマ泣かせ」の困難なものだったことを関係者は公式サイトなどで発言している。なお、これらのソフトの中では、『バイオ4』は後にPS2版の追加要素を含めたWii版を発売、『シンフォニア』は続編である『ラタトスクの騎士』がWiiで発売された。
Wii発売後のゲームキューブ[編集]
Wiiの発売以降、全国のゲーム量販店ではGC本体は瞬く間に姿を消した (2006年12月くらいまでは、中古ショップに限り本体もあったが、現在はGCソフトのみが在庫処分品として売られている)。しかしWiiは、GCとのアーキテクチャの共通性が高い事から互換性を持ち、さらにコントローラやメモリーカードなどもそのまま使用することができることから、GCを持っていなかったWiiユーザーから、GCソフトに触れる機会が増えるなど、今まで日の目が当たることが無かった良作GCソフトが再評価される機会となった。
その例として、2007年になって『ガチャフォース』、『バイオハザード2』、『バイオハザード3 LAST ESCAPE』、『バイオハザード CODE:Veronica完全版』といったソフトが再版されている。これらは出荷量が少なかったために入手困難になっていたことも関係しているが、それぞれのソフトが高評価を得ていることや、Wiiの普及により、GCソフトをプレイできる人が増えたことも原因と言える。また、2008年4月下旬からは、Wiiの本体色に合わせたホワイトのコントローラ「DOL-003(-01)」が新たに発売されている。
一方、GC本体底部に取り付ける周辺機器のブロードバンドアダプタ(オンライン対戦に用いる)やゲームボーイプレーヤー等は、Wiiでは使用できないため、それらの用途のためにGCを使用する場合がある。なお、公式でのオンラインサービスの提供はすでに終了しているが、一部ゲーム(『ファンタシースターオンライン』など)では、サービス終了以降も有志間によって運営されている。
『バイオハザード4 Wiiエディション』のヒット以降、カプコンはGC版バイオハザードシリーズの移植版を順次リリースしているほか、任天堂も『Wiiであそぶセレクション』として、Wiiのコントローラに対応させたリニューアル版を2008年12月より7タイトル発売した。
2012年7月を以って、任天堂はニンテンドーゲームキューブの本体並びに一部を除くソフトのサポートを打ち切った。これに伴い、本体設定を記憶しておくためのリチウム一次電池の交換は出来なくなった。一部ソフトは2015年現在もサポートを継続している[1]。
コントローラーはWiiでゲームキューブソフトが遊べる上、一部のWii専用タイトルでもゲームキューブコントローラーが使用できるため、長らく使用されていた。Wii Uではゲームキューブコントローラーのポート(差込口)が存在しないため利用できなかったが、2014年12月6日に発売された「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」で、同日にゲームキューブコントローラーで操作ができるようにWii UのUSB端子を利用した接続タップと、「NINTENDO GAME CUBE」と書かれている部分にスマブラオリジナルマークが描かれたゲームキューブコントローラーが発売された。
脚注[編集]
- ↑ 修理の受付が終了した商品任天堂ホームページ