ジェニー達の肖像

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ジェニー達の肖像(ジェニーたちのしょうぞう、Portraits of 'Jennie')は写真家・力武靖による少女ヌード作品の集大成として、1998年に出版された全7巻の写真集である。全巻オールカラー、各160ページ。これらの作品を禁ずることとなる児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下、「法」という)の施行に先だって駆け込みで出版された。

写真集の概要[編集]

それまでに出版された力武作品の全てを収録しているわけではないが、全巻で約200人にのぼる少女モデルをまとめており、我が国ロリータ史の中でも屈指の数を誇る。なお、収録されている写真は必ずしも過去に発表されたものとは限らず、中には諸事情から出版に到らなかった作品も存在する。これについては力武靖参照。

それぞれの巻は原則として撮影当時のモデルの年齢によりまとめられており、第1巻が10歳~11歳、第2巻が12歳、第3巻が12歳~13歳、第4巻は13歳~14歳、第5巻と第6巻は14歳、第7巻は15歳~17歳となっている。小森亜紀子(14歳)、天本久美(13歳)は第1巻に収録されているが、これは初出の作品が10-11歳のモデルと「ペアヌード」で撮影されたことによる。

来るべき法施行による出版禁止に備えて、諸作品の保存を主眼においたものであり、たとえば、それまでの力武の写真集にあったようなカラー写真の表紙を排し無地の表紙を採用している。これは、「どのような本棚に置いても違和感がない」ことに配慮した関係者のこだわりである。また、経年劣化が少ない中性紙を採用した。ロリコンショップ・ペペによる独占販売で、各12,000円、7巻セットでは70,000円、発行後しばらくしてからは、よりどり3巻30,000円でも販売された。

購買者の反応[編集]

前述のようにひじょうに高価なものであったが、法施行に伴うペペのリニューアル前に完売に到った。しかし、最高年齢である第7巻は比較的あとまで残る傾向も見られた。 力武は法施行後に「ファンは実年齢よりもその少女性やワレメが重要であると考えているので、法律による悩みはそれほどではなかった」と述懐しているが、当時の市場動向を踏まえると、必ずしも彼の顧客はそうした点に重きを置いていたとは言いがたい。第7巻が高校生程度の年齢であることを思えば、「女子高生はロリータとは言えない」という読者の声をまさに具象化したものであったとも解釈できる。

また、14歳の写真をまとめたものは第4巻~第6巻の3冊を占めているが、単に力武作品のモデルがその年代に集中していたことに留まらず、当時コアマガジンか発行されていたロリコン向け隔月刊誌『Alice Club』でも、読者アンケートの結果としてこの年齢が最も人気があったとされたが、こうしたニーズを考慮したものとも考えられ、力武のコメントには疑問も残る。

タイトルの由来[編集]

ジェニー達の肖像というタイトルは、ロバート・ネイサン(1894年 - 1958年)の著作である『ジェニーの肖像』(Portrait of Jennie)に由来する。主人公である画家イーベンは少女ジェニーと出会い、彼女のスケッチを描く。時は過ぎ、少女は画家のもとを去る。ジェニーの肖像だけが残される。

「ジェニー」とは即ち、これまで力武が出会ってきた無数の少女たちのことである。本作は法施行に伴い、二度と出会うことのなく消え去ってゆく少女たちの姿を収めたスケッチ帳という意味を込めたものであり、感傷的な力武の心情を物語っているともいえる。

関連項目[編集]