シンメトリカルAWD

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シンメトリカルAWDとは、スバルが提唱する自動車レイアウトである。水平対向エンジン四輪駆動をベースに、左右対称(シンメトリカル)なドライブトレインのレイアウトとなっているのが特徴。平成以降のスバルが製造した四輪駆動車の乗用車のほとんどが該当する。

概要[編集]

スバルの基幹技術の一つであり、縦置き水平対向エンジンとその出力軸を中心とし、左右のドライブシャフトタイヤが左右対称な配置となっているものである。このレイアウトにより4輪にバランスよく荷重がかかり、タイヤの接地性が良くなることで必要十分なトラクションを発揮でき、どんな路面でも安定した走行に寄与するほか、スバルのエンジンは小さく軽量なため、慣性モーメントが小さくハンドリングが軽快になり乗り心地も向上する、とスバルは主張している[注 1]

エンジンを持たない電気自動車のスバル・ソルテラについてもシンメトリカルAWDを謳っており[1]、共同開発先のトヨタが提示したものが左右非対称なドライブシャフトであったが、スバル側の技術者は左右対称にこだわった結果シンメトリカルAWDといえるものになったと述べている[2]

なお、水平対向エンジン+AWDはスバル独自というものではなく、過去には同様のレイアウトを持つ車も存在している。ポルシェ・959もその一つである。また、スバルが主張するほど左右対称とはなっていない[注 2]という点やインタークーラーなどの補器類がエンジンの上部に仮想されているほか、ドライブトレインの都合上エンジンの搭載位置を下げきることができないため、エンジン単体はともかく車全体での低重心[注 3]に疑問性を投げかける声も少なくない。実際、同じ車両のAWDよりもFFモデルの方がより軽快で素直なハンドリングであると評価されることもある[3][注 4]

一覧[編集]

このほか、一部車種にはACT-4にソフトウェア的に介入するシステムであるX-MODEが搭載されることがある。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 280PSを発揮するエンジンとしてはEJ20は補器類込みで150kg台であり、トヨタの1JZや日産のRB26などと比べると50kg以上は軽い
  2. エンジンの回転方向に対するモーメントや、一人乗りの際の重量配分の偏りなど
  3. 運動性能はエンジン単体の重心よりも車両全体の重心の位置が重要になるため
  4. 安定性と旋回性(回頭性)はトレードオフな関係のため、シンメトリカルAWDが「安定性」を売りにしている以上しょうがない面もあるが