水平対向エンジン

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水平対向エンジンとは、エンジンの形式の一つ。本稿では主に自動車向けエンジンについて記述する。

概要[編集]

フラットエンジンとも呼ばれる。略称として、直列がL4、L6などとされるように水平対向エンジンはF4、F6などと表記される。水平対向エンジンは一本のクランクシャフトをはさんでシリンダーが水平に配置されている。このようなレイアウトのエンジンは水平対向エンジンと180度V型エンジンがあり、その違いは内部のシリンダーの動きにより分類される。スバルポルシェの水平対向エンジンは対向するシリンダーのピストンが180度位相で運動するため、まるでパンチを中心に向かって打ち合うかのように見えることからボクサーエンジンとも呼ばれる。ドイツではこのようなエンジンのみ水平対向エンジンに分類される。本稿ではこちらを水平対向エンジンとし、解説する。

利点[編集]

  • シリンダーヘッドがエンジンの側面に来るため全高を抑えやすく、重心を低くしやすい。
  • 全幅があるため、空気を受ける面積が広く冷却効率が比較的良い。
  • ほかのエンジンなどに比べて低振動である。180度V型エンジンと比べてもより少ない気筒数で振動を抑える事ができる。
  • 等間隔燃焼と低振動を両立できる。

欠点[編集]

  • シリンダーヘッドがエンジン側面にあるためプラグ交換などのメンテナンスが非常にやりにくい。また吸排気系の取り回しが複雑になりやすい。
  • ステアリング機構などでエンジンの横幅に制限が生まれやすく、結果ショートストロークなエンジンとなってしまい低速トルクが細くなりやすい。
  • ミニバンやSUVの台頭により低重心が利点となりにくい。

ボクサーサウンド[編集]

かつての4気筒水平対向エンジンに見られた特有の音で「ドロドロ」音とも形容されるボクサーサウンドがあった。これはエキゾーストマニホールドの長さが不等長(不等長エキマニ)のために排気干渉により引き起こされる。現在の水平対向エンジンにおいては等長エキマニになっているためこの音を聴く機会は減った。現在ではスバル・BRZ/トヨタ・86のアフターパーツとして不等長エキマニが発売され、ファンを喜ばせた。

商標[編集]

スバルはBOXERを商標として使用しているが、当初はマツダが生産していた中型トラックのマツダ・ボクサーの商標であった。マツダは1980年代にボクサーの生産を終えており、2003年にスバルがBOXERの商標出願と同時に商標法50条の適用によりマツダの「MAZDA BOXER」の商標取り消しを請求。MAZDAも反論しなかったため、現在では自動車類においての「BOXER」、「SUBARU BOXER」はスバルの商標となっている。

関連項目[編集]