コプト語
コプト語 | |
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基礎情報 | |
話される場所 | エジプト |
語族 | アフロ・アジア語族 |
話者数 | - |
話者数の順位 | ランク外 |
言語コード | |
ISO 639-1コード | - |
ISO 639-3コード | cop |
コプト語(Ⲙⲉⲧⲣⲉⲙ̀ⲛⲭⲏⲙⲓ)とは、エジプトなどでかつて話されていたアフロ・アジア語族の言語。コプト正教会の典礼言語である。
概要[編集]
古代エジプトで話されてたエジプト語を元に発達した言語。エジプトを支配したプトレマイオス朝、ローマ帝国[1]、及び東ローマ帝国で使用されていたギリシャ語が上層言語であるため、ギリシャ語からの借用語が非常に多いのが特徴。また現在に至るまでエジプトの公用語として使用されるアラビア語由来の単語も多い。 元来エジプト語は屈折語であったが、現在のコプト語は屈折の代わりに冠詞によって格を表すなど孤立語的要素が強い。 アルファベットであるギリシア文字を元に改良されたコプト文字で表記されるため、子音のみを表記するエジプト文字で表記されていた従来のエジプト語と違い、 発音が完全に表記される。
母語話者[編集]
かつては母語話者がエジプトに多数存在したが、アラビア語母語話者の増加やエジプトにおけるキリスト教の衰退などの結果、現在では母語利用者はいないとされている[2]。現時点で最後に母語話者が確認されたのは2005年である[3]。ただし、エジプトでは言語学自体あまり学ばれていない事、コプト語母語話者の可能性がある人物の多くは貧困であるとこなどを考慮すると実際には母語話者が存在する可能性もある。また前述の通りコプト正教会の典礼言語であるため、現在も学習者は一定数存在する。
表記法[編集]
ギリシア文字を改良したコプト文字を用いて表記される。ただし、ギリシア語には存在しない発音を表記する為にエジプト文字から借用された七文字[4]が存在する。またⲊ、Ϥ及びϬの三文字はギリシア文字からの借用だが、全て元になった文字は現在では使用されていない[5]。
文法[編集]
もともと屈折語であったエジプト語の語順はVSO型を元にした比較的自由なものであったが、格が簡略化されていくに従いSVO型になっていき、またそれと同時に孤立語的な要素が強くなっていった。その他に包容語的な要素も存在する。
諸方言[編集]
現在までに六つの方言が確認されており、その中でボハイラ方言が最も古いと考えられている。300年ごろに聖書翻訳が行われたことがきっかけとなりサヒド方言で著作が行われる様になり、綴りや正書法などもサヒド語を元に作られた。ただしサヒド語はエジプトのイスラム化以降衰退し、現在ではボハイラ方言が主流である。