カステラ

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

カステラポルトガル語Castella)とは、卵、砂糖、水飴、小麦粉を混ぜた生地を型に入れ、オーブンで焼いた南蛮菓子和菓子の一種)である。

歴史[編集]

16世紀中期から後半にかけて、ポルトガル宣教師たちによって日本にもたらされたという[1]。しかし、ポルトガルには『カステラ』という菓子はない。キリスト教伝来とともに南蛮菓子のボウル(ボーロ), 金平糖,カステラ,アルヘル(アルヘイトウ,有平糖),ヒリョウズ(飛竜頭,がんもどきとなる),ビスカウト(ビスケット),パン等が日本に伝来し、フランシスコ教会の神父達によって製法が伝えられたとされる。

カステラの原型と想定されているのはいくつかあるが、そのひとつはポルトガルの『伝統菓子パン・デ・ロー(PÃO DE LÓ)』である。卵と砂糖を一緒に泡立て、小麦粉を加えて窯で焼くものである。フェルゲイラスのパン・デ・ローは1730年創業で、ポルトガル王家御用達である。

もうひとつはスペインの「ビスコチョ」(Bizcocho)である。当初は2回焼いた乾パンのような食物であった。文献では『アルフォンソ11世の年代記』に登場する。やわらかくふくらむビスコチョは、白身をよく撹拌し、メレンゲ状にする製法で16世紀末に修道院で作られた。ポルトガル国境に近いモンブウェイのマイモンはパン・デ・ローと見た目がほぼ同じである。

名称の由来[編集]

カステラと呼ばれる菓子の由来に、いくつかの説がある。

  • ポルトガルではカスティーリャ王国を「カステラ」と発音する。スペイン王国の名前説である。
  • メレンゲを立てて焼く様子がカステロ(お城)に似ている。
  • Castilla「カスティーリャ(スペイン語)」の地名に由来している(最有力説)。カスティーリャはスペイン北部発祥で、後にスペイン全土を統一した国である。
  • 城を意味するキャスティーヨ(Castillo カスティジヨ、カステロー、城)から由来説。城のように高くなれと掛声をかけながら混ぜることから由来。

日本のカステラ[編集]

福砂屋[編集]

1624年長崎県長崎市で創業の「長崎カステラ福砂屋」は、ポルトガル人の直伝を受けて始めたと言われ、カステラの元祖とされる。「カステラ本家」として商標登録(登録番号:1209278,1972年)を有す老舗である。創業以来、手作業による製造を守り続けており、さらに添加物を使用せずに生成する。

松翁軒[編集]

1681年(天和元年)創業と老舗で人気の高い「松翁軒」は、16世紀に伝わった「カステラ」に水飴を加えるなどの製法で独自の工夫を行う。甘さ控えめで風味豊か。長崎市の本大工町に初代山口屋貞助が店を構え、砂糖漬けやカステラを作り始めた。登録商標に「松翁軒の五三焼カステラ」(登録番号:5066154,2006年)。

台湾カステラ[編集]

台湾北部の港町「淡水」に「台湾カステラ」GRAND CASTELLA(縁味古早味現烤蛋糕)がある[2]。メレンゲ、卵、牛乳で作る軽い食感の菓子である。

カステラあるある[編集]

  • 「なんかこの部分、妙に固いな~」って暫くモグモグした後で「あっ、これ底に敷いてある紙じゃん (`з´)∴ ペッペッ!」ってなりがち。
  • 下の焼き目の部分のザラメが多い個体にあたるとちょっと嬉しい。
  • 数切れだけ食べようと思って箱を開けたのに気が付いたら一本まるまる食べ尽くしがち。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 仮屋園璋(2004)『カステラの科学』光琳
  2. 新北淡水「緣味」-古早味現烤蛋糕,淡水老街最夯排隊美食!Taipei Walker

参考文献[編集]