カシェン銀山
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カシェン銀山(ロシア語:Кашин добыча серебра、中国語:卡申银矿、卡申銀礦)は架空の銀山。古代ロシアにまつわる架空の情報を長年投稿していたユーザー「折毛」が中国語版Wikipediaにて作成した項目である。2021年2月1日に作成された当該記事は、約1年4か月の間、精緻な嘘の情報で閲覧者を騙し続けた。2022年6月16日、当該記事を発端として「折毛」の一連の行為が発覚し、記事は削除されている。
なお日本で広まった「架空の鉱物の記事」という情報は誤りで、Twitterユーザーの1人が中国語で書かれた当該記事の告発文を誤って翻訳し、拡散したことによる[1][注 1]。
架空の設定[編集]
カシェン銀山の存在とそれにまつわる情報は全て虚偽。これらの情報に付加されていた出典は、書籍のランダムなページ、或いは存在しないページを示していた[2]。
以下は当該記事の一部を独自に要約したもの[3]。
現在のロシア連邦トヴェリ州カシン地区ピャコフカにて1344年、現地人によって偶然発見された銀鉱脈。かつて実在したトヴェリ大公国の重要な資金源であり、トヴェリ大公国の崩壊後はモスクワ大公国などによって採掘され続けた。18世紀に銀の枯渇が原因で閉山に至る。 銀の採掘量は14世紀後半に年間15~20トン、15世紀に年間38~40トンであった。16世紀後半には採掘量が年間5~6トンと大きく落ち込むが、1695年に水銀アマルガム法を導入すると鉱夫の死亡率が低下し、年間約40トンに回復した。
ロシア連邦トヴェリ州カシン地区ピャコフカ、トヴェリ大公国、モスクワ大公国、水銀アマルガム法はいずれも実在するが、架空のカシェン銀山と関わった事実はない。
出典[編集]
注釈[編集]
- ↑ 中国語「鑛」は鉱物・鉱山の両方の意を含んでおり、この「卡申銀礦」は銀の鉱山を示している。
関連項目[編集]
- ビコリム戦争 - 英語版ウィキペディアを騒がせた虚構記事。
外部リンク[編集]
- 「カシェン銀山」の記事のアーカイブ
- 現在、中国語版ウィキペディアではとてつもない捏造事件が発生しているらしい「こっわ」「SFみある」 - Togetter - 卡申銀礦が鉱物という説明は誤り。