アイバンホー
『アイバンホー』とはイギリスの作家ウォルター・スコットが書いた歴史小説である。
概要[編集]
この物語の時代背景はイギリス王がリチャード1世で、第三次十字軍がサラディン王と和解して、十字軍の騎士たちが帰国してくる頃である。
ユダヤ人問題なども取り上げられている。
非常に長々と書かれており、回りくどい表現が多い上に、英語圏の人間しか理解できないようなギャグも書かれており、読み進めていくのに苦痛が伴う。
日本語版は前編と後編に分けて売られている。しかも、前編と後編では訳者が違う。長すぎて訳者が途中で死んでしまったからである。何度も映画化されている。
ストーリー[編集]
リチャード王は十字軍を率いて聖地に赴き、王の留守中にイギリスの治安は極度に悪化しており、国民はリチャード王の帰還を待っていた。たが、王の弟のジョンは武術の試合ばかりさせて喜んでいた。
主人公の騎士アイバンホーはイギリスに帰還するのだが、鎧も馬も持っていなかった。帰国するための旅費や宿賃を払うために売ってしまったか、捕虜になっていたようである。
アイバンホーは、身代金目当てに誘拐されそうになっていたユダヤ人の商人アイザックを助け、そのお礼に鎧と馬を貰う。
鎧と馬を得たアイバンホーは槍の試合に出場して初日の試合では優勝する。二日目の試合では重症を負いつつも、黒い鎧を着た騎士の加勢により優勝することができる。だがアイバンホーの怪我は中世の医療では助かる見込みがない程に深刻なものであった。
その次の日に行われた弓の試合では、一人の男が異常に優れた腕前を見せて優勝する。
ユダヤの商人アイザックはアイバンホーを引き取り、娘のレベッカの手厚い看病とユダヤ人しか知らない薬草などによりアイバンホーは助かる。
しかしアイザックとレベッカは身代金目当てに誘拐され、アイバンホーもアイザックやレベッカとともに城に連れ去られてしまう。その後、アイザックとアイバンホーは黒い鎧の騎士と、弓の名人によって救出されるのだが、美しいレベッカだけは事件の首謀者のテンプル騎士、サー・ブリアン・ド・ボア・ギルベールに連れ去られてしまう。
レベッカはテンプル騎士を惑わした魔女として魔女裁判に掛けられ、修道院長から火炙りの判決を受ける。しかし、その判決には「判決に異議あらば、ブリアンと決闘せよ。ブリアンを倒せばレベッカは無罪放免とする」という条件が付く。
知らせを受けたアイバンホーは、命の恩人であるレベッカを救うため、完全に快復していない体でブリアンに決闘を挑み、ブリアンを倒し、レベッカを魔女裁判から助け出す。そこへ黒い鎧の騎士が家来たちや王弟ジョンを引き連れて現れ、意外な正体を明かす。修道院長は黒い鎧の騎士によって追放される。
アイバンホーからすれば、レベッカは自分が大怪我をしたときに助けてくれた命の恩人。レベッカからすれば、アイバンホーは、自分を魔女裁判から助け出してくれた命の恩人。故に二人は深く愛し合っているのだが、アイバンホーには他に婚約者がいる上に、宗教の違いもあり、二人は別れなければならなくなってしまう。
動画[編集]
その他[編集]
- 黒い鎧の騎士と、弓の名人の正体はお察しください。
- 片仮名ではアイヴァンホーと表記される場合がある。
- 終盤にはキリストの再臨を連想させるような場面が挿入されている。
- 作家コナン・ドイルは、『アイヴァンホー』を愛読していた。だから、本当は、例の名探偵が出て来るような推理小説ではなく、『アイヴァンホー』を超える傑作歴史小説を書くことが夢だったらしい。