そいつは何者だね
そいつは何者だねは、1998年3月29日の『笑点』で放送された大喜利の3問目のお題、また同放送回の通称である。しばしば「史上最高の神回」と称され、放送から20年が経過した今なお屈指の人気を誇る。
内容[編集]
まず前提知識として、当時司会者だった五代目三遊亭圓楽は、その長い顔から馬と呼ばれてイジられていた事、若竹という寄席を借金をこさえてまで建設するも結局潰してしまったことでイジられていた事を念頭に置いて欲しい。
2問目が終わり、回答者全員へ座布団運びによって配られるテンガロンハット、スカーフ、パネル。パネルにはお尋ね者の顔写真が貼られており、回答者はこのお尋ね者を探す保安官となって司会者の「そいつは何者だね!?」という質問に笑点流に返すというもの。
だがこのポスターに描かれていたお尋ね者、よりにもよって司会者の三遊亭圓楽なのであった。紫の悪太郎とアンデッド属性のハゲチャビンが「こいつですか(笑)」と司会者へパネルを見せる。パネルを見せられた圓楽は「あーっ!!なんだこれは!?」と驚いていた。
そして怒涛の圓楽いじりが始まるのである。(以下 小:三遊亭小遊三、好:三遊亭好楽、木:林家木久蔵、歌:歌丸、楽:楽太郎、こ:林家こん平)
歌:「どーこの馬の骨だかww」(座布団全没収)
楽:「実は……わたくしにとって大変恩の有る方で……何かの濡れ衣でこのような事になったと思うんですが……根は良い人でございます!」(座布団+1枚)
こ:「世界中の女性のハートを盗んだ、恋泥棒さ♪」(座布団+2枚)
小:「気を付けなくちゃいけねぇぜ、面は長ぇけど気が短ぇからよ!」(座布団全没収)
好:「変わった野郎でさぁ、賞金がつくと言ったら自分がその金欲しさに自首して来やがった!」(座布団全没収)
こ:「噂によると、江東区の『若竹』で借金を踏み倒し、中野区へ逃げ込んだ奴よ!」(座布団全没収)
小:「よーく見とくんだぜ!テキサスには珍しいブリのアラだ!」(圓楽の十八番の一つ「短命」に引っ掛けたもの)(座布団+1枚)
木:「「これか!これはな…いちでなし…にでなし…ごでなし…ろくでなしよ!」」(座布団全没収)
楽:「知らねえやこんな奴は!」(山田隆夫に扇子で引っ叩かれる)
罵倒合戦になってしまった最後、木久蔵師匠が指名される。
「よく見ろよー!」→「おめえじゃねーか!」
あまりにもごもっともな回答でこの日の大喜利は幕を閉じた。
その後[編集]
この後にも司会者の写真を使った問題が数問出された。
1998年12月26日 (圓楽司会)[編集]
人相書に圓楽の写真を描かれ、「そいつは何者ですかい?」と聞く問題が出された。
歌:「どーこの馬の骨だか」(座布団 +1枚)
楽:「尋ね人なんだがね、あっしが今あるのも皆このお方のおかげなんでぇ」
歌:「近寄ったらいけねぇぜ。顔は長ぇが気が短ぇんで」
等と、座布団の変動はなかったものの似た回答が度々出ていた。
2014年3月16日の3問目 (歌丸司会)[編集]
「亡き亭主の遺影をもって話しかける→歌:そうだったね…→何か一言」という問題が出されたが、遺影の写真が司会の歌丸であった。
木:「ここフルムーンで来たところよ。ここで写真撮りましたよ」→「イエーイ♪」(座布団 -2枚)
好:「お爺さん、懐かしいでしょ。ここはあなたが長いこと笑点の司会をしていた席ですよ」→「今は好楽がやっているから安心ですね」(座布団 -1枚)
た:「あなた、今年も庭に満開の桜が咲きました。皆、あなたが桜が好きだって事を知ってましたもんね」→「だけどこの桜の木の下にあなたが埋まっている事は誰も知らないんですよ♪」 →歌:「俺は肥やしか!!」
等と散々コケにされたものの、
円:「人間国宝や文化勲章は生前にくれなきゃいけない」(座布団 +2枚)
といって褒めていた。この他の回答でも座布団の変動は少なめであった。
2016年1月17日の3問目[編集]
「指名手配のポスターを模したフリップを見せて一言→歌:本当か?→更に一言」という問題が出されたが、そのポスターの写真が司会の歌丸であり、本人が「これ間違いじゃないのか?これホントは小遊三さんの写真じゃないの?」と文句を言うも、そのまま番組は進行。そして案の定、歌丸の悪口ばかりになった。
小:「署長、この写真、誰かに似てますね…」→「あ、渡哲也だ」
円:「これ…署長、空き巣狙いなんですがね、侵入した形跡をこれっぱかりも残さないんですよ」→「毛も1本も落ちていないそうです」(座布団−1枚)
好:「こいつはね、とんでもない香典泥棒なんですよ!」→「証拠は上がってるんです!」
昇:「いやぁ、こいつですよ。こいつがね、女装して結婚詐欺を働いた野郎なんですよ!!」→「そして私が…その被害者ですぅ」
た:「この指名手配の男は、横浜真金町のルパン三世と呼ばれてるんです」→「はい…この男もふ〜じこちゃんには頭が上がらないんだよねぇ〜♪」(座布団+1枚)
昇:「署長…もうこいつですよ。日本野鳥の会の皆さんからね、なんとか注意をしてくれって何度も電話がかかってきたんですよ」→「はい。この人が歩くとね、飛ぶ鳥が落ちちゃうんですよ」(座布団+1枚)
木:「これがねぇ、あの…中国の窃盗団の親分なんですよ!」→「信用してくだチャイナ」
好:「署長、この男ですよ。台風の時に行方不明になったのは」→「大風が吹いたら飛んでっちゃったんですよ」
た:「この男、最も近づいたら危険な男と言われています!」→「はい、触っただけで小骨が刺さるようになっています」
円:「署長、このジジイ…指名手配にしてもなかなか捕まらないんすよ」→「もうホトケになってるかもしれません」
そして上記円楽の回答にしびれを切らした歌丸は、
歌:「ここでさっきからじっと我慢して聞いていました。人の写真を指さしてコイツだとかジジイだとか、どうもありがとうございました。山田くん、全員の全部持っていきなさい」
と全員の座布団をすべて没収する、通称「歌丸ジェノサイド」を発動させてこの回は幕を閉じた。
昇:「問題なんだからしょうがないでしょー!?」
歌:「早く座りなさい!はい、礼」