せまい日本そんなに急いでどこへ行く
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せまい日本そんなに急いでどこへ行くとは、スピード違反をたしなめるための交通安全標語の一つ。
概要[編集]
1973年、高知県の中年警察官が交通安全年間スローガンに応募し、見事内閣総理大臣賞を受賞した標語である。初出からほぼ50年だが、いまだに広く用いられている。
前年の流行語大賞には「のんびりいこうよ、俺たちは」が選ばれるなど、高度経済成長がひと段落してきた時期であったため、社会に受け入れやすかったものと考えられる。
ちなみに、日本の面積約38万平方キロメートルは世界61位であり、世界的に見ればそこまで狭くない。ドイツとほぼ同じで、スウェーデンより少し狭い程度である。また、日本の道路の総延長は1,218,772kmで世界7位であり、面積世界一のロシアに肉薄している。
インフラ整備への反対論として[編集]
日本全国で進められている新幹線や高速道路網の拡大に対し、「狭い日本だから高速輸送手段は要らない」と反対するために、この標語が都合よく引用されることがある。
しかし、こうした高規格な鉄道網や道路網は、所要時間の短縮だけがメリットではなく、災害時の緊急物資運搬をはじめ交通手段の冗長化にもつながる。
また、日本の高速道路は車線数が少ないことにも目を向ける必要がある。アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・韓国では、3車線以下の高速道路は約5%以下に留まるのに対し、日本では約32%が3車線以下である(2015年時点の統計[1])。
なにより、安全に高速で走れる道路があれば、一般道でスピード違反を犯すドライバーも少なくなるといえるだろう。