お歯黒
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お歯黒(おはぐろ)とは、江戸時代までにおける主に女性を中心とした身だしなみの1つのことで、歯を黒く染めることである。歯を黒く染めるには、鉄漿水と五倍子粉という物を用いて行なわれる。五倍子粉とは漆科のヌルデという木を油虫が刺激してできた樹液の固まりを蒸して粉にしたものである。鉄漿水の主成分は酢酸第一鉄、五倍子粉の主成分はタンニンであり、これらがエナメル質に浸透することで、当時としては虫歯を予防する効果があったという。
お歯黒は主に高貴な身分の人間が行うことが多く、貴族や大名などに多く見られる。大名でもお歯黒をしていたのは主に貴族化したような大名であり、著名な人物に今川義元などがいる(ただし、義元は近年、事績を見直されておりお歯黒をしていたのかどうかに関しては疑問が持たれる)。またお歯黒をするような大名や武将は一般的に柔弱に見られることが多く、お歯黒殿、女武将などと言われてからかわれる例もあったとされている。