VXガス
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VXガス(ブイエックス・ガス)とは、化学兵器用の神経剤のことである。
概要[編集]
無味無臭で無色、または琥珀色の液体であり、高濃度の場合は粘着性もある。この神経剤は人の神経伝達機能に障害を与えて死に至らせる。液体や噴霧の形で使われ、揮発性が低くゆっくりと気化するため、毒ガスとしての効果が持続する特徴がある。皮膚などから吸収され、呼吸困難や意識障害、瞳孔の縮小などを引き起こす。VXは微量でも殺傷能力が高いため、平成9年(1997年)に発効された化学兵器の生産や使用を禁じた化学兵器禁止条約(CWC)のリストに掲載されている。
VXガスは流水で洗い流すことは不可能なため、応急処置は曝露した者へアトロピンとPAMを投与し、体表に付着したVXガスそのものは水酸化ナトリウム等で中和しなければならない。これらの応急処置を行う者は簡易災害対応マスク、手袋を着用する。
日本ではオウム真理教による殺人事件や殺人未遂事件で使われたことがある。また、平成29年(2017年)2月13日に暗殺された金正男の死因もVXガスによる毒殺であることが2月24日にマレーシア警察によって発表された。