NFC
NFC(Near Field Communication)とは、無線通信の規格の一種。近距離無線通信といわれるように、極めて短い距離での無線通信用の規格である(最大でも1m以内)。NFCタグにICチップを内蔵し、情報の読み込みと書き込みを行うことができる。NFCタグを内蔵したシールをNFCシール、カードはNFCカードや(非接触型)ICカードと呼ばれる。
概要[編集]
RFIDの一種であり、リーダーから発せられる電波を用いて動作する(電磁誘導方式)。そのためカード側には電源が必要ない。リーダーから距離があると動作しないが、リーダーにNFCカードをかざすように利用することで確実な動作を実現している 複数のNFCカードをまとめてタッチした場合、カード側にアンチコリジョン機能が搭載されている場合は問題なく通信できるという(3枚まで)。しかし、1枚でもアンチコリジョン機能がないカードを混在させた場合は保証できないという[1]
リーダーに接触させるだけでよく、端末に差し込んだりバーコードを読み取るよりも早く確実に情報の読み書きができるため、入退室用のセキュリティカードやキャッシュレス決済手段として広く普及している。旧来の接触型IC読取装置や磁気ストライプのスキャンに比べ、端子部の接触もなく、磁気の影響も(磁気ストライプに比べて)受けないため、カード自体の寿命を長くできるのが大きな利点である。一方で画面に表示したり印刷するだけで良いバーコードタイプに比べるとコストがかかる点が欠点とされる。また、無線通信を利用しているため金属による通信の阻害も発生しやすい。
決済手段以外にも、NFCタグを用いた家電の操作やWi-Fiへの接続などの操作を行うことができ、専用アプリと対応するタグが販売されている。
規格について[編集]
NFCの規格としてはISO/IEC18092が主流であり、ISO/IEC14443(Type-A)と日本工業規格で規定されていたFeliCaをまとめて規定されている。 そのため、当初から国際規格であったType-Aが先んじて普及しており、FeliCaがガラパゴス規格といわれる所以となっている。
利用例[編集]
- FeliCa
- FeliCaは日本国内において広く普及しており、交通系ICカードやEdy、QuickPayなどに利用されている。事前チャージ式のものが多いが、iDのように後払い式のものやEnekeyのように登録したクレジットカードにより決済するものがある。
- Type-A(MIFARE)
- かつてはNTTが非接触ICカードを利用したテレホンカードを開発しようとしており、日立製作所がライセンスを取得し開発していたことがあった。日本でのそれ以外の利用はたばこ自販機用のtaspoが存在していた。また、任天堂から発売されているamiiboはこの規格に対応したリーダーでアクセスできたことから[2]、任天堂のNFCはMIFAREを利用しているとされている。
- Type-Bとあわせ、主要クレジットカードのタッチ決済はほぼこちらのNFC(TypeA/B)であるとされている。
- Type-B
- セキュリティが高く、日本国内では運転免許証やマイナンバーカードなどの高いセキュリティを要求される場合に利用されている。Type-Aと併せてクレジットカードのタッチ決済にも利用されている。